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EPCF
※「国土庁防災局」は、2001年より、「内閣府(防災部門)」になりました。
サンフランシスコ湾地域における「プロジェクト・インパクト」の概要について
 

プロジェクトインパクトの現状
 様々な自然災害を考慮して、連邦緊急事態管理庁(FEMA)と知事の救急隊は、被害軽減イニシアティブの主眼を湾岸地域に置いた。プロジェクトインパクトの対象になると共に、4つの地域と大学には、危険な施設を改善または建て直すための豊富な資金が連邦緊急事態管理庁(FEMA)と州から投入された。

 オークランド市は州のプロジェクトインパクトのパイオニアであった。市、企業、住民の連携から始まった同市のSAFE(SAFE:Safety and Future Empowerment)プロジェクトは、公共の安全を最優先させたことを約束している。SAFEプロジェクトにはシェブロンオイル、EQE インターナショナル(Engineering Firm)、ワシントン相互銀行、アメリカ赤十字社、オークランド商業会議所、CARD(CARD:Collaborating Agencies Responding to Disasters)オークランドの18のグループを代表する非政府組織で災害対策協力機間)プロジェクトが参加している。連邦緊急事態管理庁(FEMA)が100万ドルの初期投資をしたのに対し、これらの機間やグループは全体で、直接の資金提供と同様サービスという形で600万ドルの追加投資をした。

 連携グループはオークランド地区の危険分析、リスクアセスメントを実施し、家庭および企業の強化プログラムを作成した。厳しい気象条件下でのシステム上の弱点は何かを知るため、公共施設とインフラが点検されるだろう。さらにSAFEプロジェクトの参加団体は自分たちの施設をもっと危険に耐え得るものにし、非常訓練や特別サービスを提供して社員を援助することを約束した。オークランドはプロジェクトインパクト近隣地区の信頼できる助言者となり、最も必要とされる技術援助を提供し、バークレーとサンレアンドロでの安全イベントにプロジェクトリーダーを派遣している。

 オークランドの意欲的なプログラムは、初年度に25ヶ所の家庭と企業で安全改良を実施し、あらゆるタイプの施設について構造上、非構造上の危険軽減戦略を作りあげた。連携チームは、EQE インターナショナル等の技術援助を受けて、持ち家所有者向けに便利な改善ガイドブックを作った。これは同じような条件を持つどんな市にも参考になるもので、他のプロジェクトインパクト地域にも採用されるだろう。このガイドブックは、普通の住民が家の耐災害性を高めようとするときに必要とする情報を網羅しており、掲載されている技術資料の幅広さの点でも比類のないものである。

 SAFEプロジェクトはオークランドで発言力を増しており、高齢者向け住宅についても刷新的安全プロジェクトを提供してきた。AmeriCorps(アメリカ国内の平和部隊)の若いボランティアチームも地域の高校性と一緒に、地震に備えて本箱をボルトで留めたり、器具を壁に固定させたりするボランティア作業に参加している。これらの地域イベントは人々の生活ぶりをすっかり変えた、つまり住民は非常事態により備え、何かが起こっても、うまく回復できるようになった。オークランドの目標は、この任務を継続して、次の5年間に1,000ヶ所の家と企業の安全改良をすることである。これが進行中の危険軽減対策である。

 バークレー市は1999年にプロジェクトインパクトに参加した。タルサ市、オクラホマ市と共に連邦緊急事態管理庁(FEMA)の1999年度のモデル地域に選ばれたが、バークレーは地域安全活動に長くかかわってきた。1989年以来バークレーは、公共の建物、公立学校、住宅の耐災害性を高めようと粘り強く取り組んできた。地域の選挙民は、すべての公立学校と消防署の安全性を高めるため、また公共安全ビルと緊急オペレーションセンターの州事務所を新たに建設するために総額2億6千2百万ドルの税金を充てることを認めた。連邦緊急事態管理庁(FEMA)と州の救急隊からの出資と併せ、これらの税金はバークレー市民センタービルと中央図書館の改造に使われた。これらのプロジェクトに加えて、市の消防局は、主要給水システムが地震で使えなくなった場合に備えて代替給水システムを開発した。市議会は、持ち家所有者が自分の住宅をより安全にする場合、地域の高齢者、低所得者、障害者には資金面、技術面で優遇し、直接支援するプログラムを制定した。同市は建設プロジェクトの認可料を撤廃し、家や一定の補強が施されていない石造建築の耐震性改善プロジェクトには税金の割戻しを提案し、一定の資格を有する住民が安全改良をする場合には情報と無料修理を提供している。さらに家の安全改良には融資プログラムを用意し、当該不動産が売却または所有権移転されるまで支払いを延期している。

 全体としてこれらのプログラムはバークレーの住民にとって良い刺激となってきた、同市では単独所帯の家の38%以上(約8,400軒)がなんらかの安全改良を行い、小規模アパートの30%以上が改良された。湾岸地域行政府協会の1999年の研究によると、これはサンフランシスコ湾岸地域で最も高い改良率だという。

 

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