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2.地震発生確率 地震は、今この時点予知することはできない。社会に役立つ様、充分に信頼でき、また正確に予知できるようになるかは、未解決の科学的課題である。 地震の物理学的探求がまずこの重要な問題解決へたどる道筋での基本ステップである。日本、米国、その他の国々での集中的研究活動の成果により、地震についての我々の理解は急速に深まっている。
現在短期的地震予知は不可能だが、長期的予測についてはかなりの進歩が見られる。これは特定の断層における地震発生の確率予測でのことで、地震サイクルについての基本的な物理原則に基づいている。地震予知は、二つの作用過程間におけるバランスから導き出される。1.断層に歪を生じる大陸棚の動き。 2.地震で歪を解消する断層の地滑り。
北アメリカと太平洋大陸棚間の一定した動きがカリフォルニアの地殻に日々少しずつ歪を加える。この動きは、現在、GPSや他の技術の利用で直接観察できるので判る。地殻の断層が、もうそれ以上の歪を貯められなくなった時、地震が起こり、貯えられた歪を放出する。正確な地震発生の時は予測不可能であるが、将来のある期間内における地震発生予測を行えるモデルは開発されている。その様な予測は、数十年の単位でなされており、米国では、普通30年程度、家の通常の抵当期間と同じ年数である。
1980年代からカリフォルニアでは、長期地震予知が体系的に整備され行われてきた。早期の段階では、サンアンドレア断層とそのいくつかの支脈についての発表が行われた。1995年には、ロサンジェルス都市部を含んだ南カリフォルニア地域についての内容豊富な資料が発表された。その資料では、以後30年間内に80〜90%の確率でかなりの規模の地震が起こるとしていた。最近つまり1996年10月16日に発生したM7.1ヘクターマイン地震は、この予測を部分的に満たしている。しかしこの地震が、この地域において、特に都会に近い他の断層からの地震による危険性を消滅させたわけではない。それは、この地震による歪の放出がロサンジェルスに存在する断層までは達していないためである。
サンフランシスコ湾地域の10年にわたる調査に基づいて、100人以上の地質学者、地震学者、数学者が参加したチームにより、過去2年をかけて新しい地震予知資料が作成された。このチームはWG99と称されている。彼らは、それ以前の予測調査に含まれていなかった多くの断層をも加え、サンフランシスコ湾地域の主な断層をすべて調べた。WG99は、2030年までの間にM6.7かそれ以上の地震がこの地域で最低一回は、または複数回、70%(±10%)の確率で発生すると結論づけている。
地震の危険は、サンフランシスコ湾地帯一帯にわたって広がっていることが判った。それぞれの断層での地震発生確率は20%を超えていないが、多くの断層が危険性を含んでいる。その結果、今後30年間に大地震の震源からかなり近くにいる(約30キロ)確率は地域のいずこにおいても25−50%はある。このように地域での危険は高い(地震が起こらないことの2倍の確率)が、個人への危険は低い(被害が重大でないことが4倍の確率)。
WG99の予測を理解し解釈するのは難しい仕ことだ。だがそれは、ロマプリエタ地震の10周年記念に際しての米国地質調査所(U.S. Geological Survey)の新しい地震の発生確率情報発表に呼応して、地元のニュースメディアが特別レポートと補足資料を準備してくれ理解が容易になった
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