jishin

EPCF
※「国土庁防災局」は、2001年より、「内閣府(防災部門)」になりました。
国家地震被害軽減プログラムの実施改善へ向けて
 

戦略計画
 
FEMA NEPプログラム事務局が最初に行った活動の一つは、議会の要請によるNEHRP戦略計画の作成であった。まずは、適切なところで他のNEP機関とつながるNEHRP用の戦略計画を作ることを意図した。完成した計画が議会に承認されると、NEP と全NEP機関を包括するための修正と追加を加えた。この2段階アプローチは、議会が2つのプログラム間の関係を考慮して採用したという背景もある。

 手始めにNEP事務局は1996年6月、プログラムの任務声明書作成に着手するため、全NEP組織代表者達の戦略計画非公式会合をもった。

  この作業の中で、会合では各NEP組織の、それぞれの地震被害軽減活動に関する報告が含まれていた。NEPの9目標に関連するからである。この情報はプログラムの一連の目的を掲げ、それを分類するのに使用された。

 その後、この会合の結果は他の筋からの詳細リストと併せてNEHRP戦略計画の第一原稿作成に使われた。戦略計画の第一原稿作成に使用された、多岐にわたる情報源には以下が含まれている。

・ 「全米地震被害軽減プログラム:1992-1996 5カ年計画」 (1991年9月)
・ 「地震対策改善へ向けて:法令101-614条、14b部分の規定に従う議会への報告」(1993年1月)
・ 「国家地震被害軽減プログラム(NEHRP) 諮問委員会報告書」(1993年1月)
・ 「米国における震災対策:選出ユーザー需要の査定と国家地震被害軽減プログラム(NEHRP)への提言」(FEMA-263) (1994年12月FEMA用にマーティンマリエッタ・エネルギーシステム自然現象工学センターが作成したもの)
・ 「地震被害軽減のために:国家地震被害軽減プログラムの検証」米国議会技術査定局 (Office of Technology Assessment) (1995年9月)
・ 「米国地震被害削減対策」科学技術政策局(1996年4月)

 この戦略計画初原稿作成には、NEP他機関の代表とともに、4つのNEHRP機関が深く関わった。内部向け戦略計画初原稿は、全機関に認定されてから、地震ユーザーコミュニティの多数の代表者達のチェックを受けた。山場は1997年9月地震コミュニティから代表50人が出席した、ネバダ州リノでのNEPワークショップである。この見直しの成果は戦略計画修正版となり、最終承認と議会への提出は1999年2月NEP常任事務局長の指名が行われた後になった。

 NEHRP戦略計画-地震被害軽減への知識を生かして-により、プログラムと米国の地震安全対策の将来への見通しがたつ。「NEHRP機関は、米国の全ての地震指定危険地域が公私の分野において地震被害を最小限にとどめる方針を目指す」

 このビジョン達成に向けて、NEHRP戦略計画は4つの目標を打ち立てている。

A. 地震被害軽減実施政策の適用をより迅速にすること。  地震被害軽減活動を促進しこういった政策や手段をとりいれ実施し、強化するものを支援する。
B. 施設やシステムの耐震性を高める技術の向上。  設計建築方法と土地利用計画を誘導する製品の開発改善、浸透をはかり、プロ職人の手腕を向上させる。
C. 地震の危険表示と危険査定方法の質を向上させ、使用法を改善する。  地震関連の危険を正確に表示し地震のリスクを数値化する製品の開発改善、浸透させる。
D. 地震とその影響に関する理解を深める。  地震に至る過程と関連被害の研究または工学的、社会的、経済的知識を深める研究を支援する。

 これら4つの目標の順序は意図的なものである。重要度の高いものから始まり、無駄を省き、それぞれの目標が前のものに基づいて、次へ展開するようになっている。別の見方をすれば、この目標はピラミッドの階層のごとく、基本・応用研究という強固な基礎固めから始まる。これで危険を確認査定して、それを順に使って被害軽減の技術を発展させ、最終的には全プロセスが州・地方レベルでの被害軽減という成果に覆われるわけである。

 各目標の中には目的が幾つかまとまっており、NEHRPとNEPそれぞれの活動の焦点となる。戦略計画に適用法が述べられているとはいえ、計画の実際の適用部分は計画に付く付録で説明される。

 NEHRP内での第一目標に向かって段階的に重要度が上がっていくと、プログラムは地震被害軽減の方策を改善するために、優先課題を研究から研究成果の適用に移行させていくべきであると考える。ピラミッド建築の基礎であるから、研究は常にNEHRPの重要な部分を占め続けねばならない。しかし今や我々は研究成果を効率的に利用して国家・州・地方レベルで地震被害軽減を図っていくところに来ている。

 

戦略計画の適用
 
1999年初めにNEHRP戦略計画が完成を見ると、焦点は次の段階に移され、関連する適用計画の作成が始まる。この適用計画を作るため、FEMAは1999年9月ワシントンDCでワークショップを企画・開催した。この段階のスタートに当たり、ここにもまた地震地域の代表者が60人集まった。ワークショップの口火をきったのは、FEMA局長のジェイムス・L・ウィット氏と4人のNEHRP組織長のスピーチであった。その後参加者は戦略計画目標に従いそれぞれ4つのグループに分かれ、NEHRPとNEPの各機関が今後2?5年間で、その具体的目標達成のためになすべき具体的活動リストを作成する事になった。

 これらの報告書は1999年11月1日に提出され、4つのNEHRP機関が全てこれを使用して一つの適用計画草案にする予定である。ワークショップ参加者がこの適用計画草案をチェックし、完成したら今年度末までに議会に提出されることになっている。最終的な適用計画は現時点で2000年夏に予定されているNEHRPワークショップで公開され、その後のNEHRP機関の予算作成の基軸となるだろう。

 

前へ 】【一覧へ 】【次へ


所在地 〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1 電話番号 03-5253-2111(大代表)
内閣府政策統括官(防災担当)

Copyright 2017 Disaster Management, Cabinet Office.