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南カリフォルニアエジソン社(Southern California Edison)やカルトランズ社(Caltrans)を含む数社の公益企業がこの地図を地震後の予算割当に役立てた。またシェイクマップへのウェブ上のアクセスは非常に重かったにも関わらず、サーバーはほとんど障害なく機能し続けた。このシステムと通信負荷、性能の点検は今なお丹念に続けられている。
図2. 1999年カリフォルニア州ヘクターマイン地震のTrinet高速震度地図
コミュニティ・インターネット震度図 (「今地震を感じましたか?」) USGSはインターネットベースの、地震後の新規情報収集システムを使った実験も行なっている。これはゆれの震度と被害に焦点を当てたものである。
カリフォルニア州では地震が感じられるとすぐに、インターネットユーザーからゆれと被害の報告が集められ、自動的に震度地図が出てくるのである。(詳細はワルド他1999cを参照)
地域住民がインターネットから得る用紙を使って、震度調査アンケートを提出し、それがデングラー 及びデュウイ (1998) による修正アルゴリズムに基づく震度指標数に換算されるのである。情報が我々のウェブサイトを通して受取られ処理される間、郵便番号別に地域が色分けされ、ウェブベースのインタラクティブな震度分布の地域地図が更新される。これを適用すると、単純に多くの人手を使って震度調査を郵送、処理して解釈するよりもずっと迅速に震度マップの作成が可能になる。
1994年のノースリッジ地震や最近南カリフォルニア地域で感じられた小地震を振り返ってのアンケート結果から、この自動処理がかなりの成果をあげていることがわかる。この取り組みは地域、全国規模で適用が可能であり、我々はその達成に向けて昼夜努力している。1999年8月17日のカリフォルニア州ボリナス近くで起きたM5の地震では、1,100以上の回答を記録し、地図に表すことができた。
M 7.1のヘクターマイン地震では25,000近くの回答があった。(図3)5,000近くの回答が来て、6時間以内に処理され地図化された。12時間以内には10,000が処理された。我々はまだこの自主的回答の信頼性を査定している所であり、それが固まってから従来の修正メルカリ震度と比較してゆく。
出来上がった震度地図が果たす役割はいくつかある。地図は強震動地震計とは別に、ゆれのパターン表示の、非常に迅速な手段を提供する。回答が充分広域に分布しているため、微少なばらつきさえも修復できることが示されている。更に、一度適正に調整されれば自主的インターネット報告は、これまでのように震度観測を集め、アンケートを読むといった、必要な人手を大幅に削減するかもしれない。最後に、ウェブベースのアンケートと地図化が持つ双方向性は、コミュニティのかつてなく積極的な参加を促す。インタラクティブなウェブサイトを通して、地震の影響があったコミュニティやその影響を調べる科学者、災害対応をする機関が反応を返す事ができるのである。さらなる開発により、これらの地図は地震の影響に関する一般の理解を深めてゆくであろう。
したがって、このコミュニティ・インターネット震度システムが他と異なる所は、根本的に地域との密接な関わりに立脚し、そして結果的にその関わりを深めることである。長期的にはこういった関わりがゆれの種類や地震被害への理解を深め、一般大衆が、地震データを正確かつ的確に記録する精密なツールの必要性をより深く認識することが望まれる。
こういったシステムを先導、実用化し、実験するのに南カリフォルニア地域が筆頭に挙げられるには理由がある。地震が比較的頻繁に感じられ、インターネットユーザーが集中しているので、天然の実験室となるのである。TriNetにより、同じ地震に関してコミュニティ・インターネット震度結果と、地震計が測定する地震の位置及びマグニチュードや、地上動及び観測震度とを直接比較することができる。
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