TriNetの重要な製品の一つが「シェイクマップ」である。南カリフォルニア全域における震度分布は、測定された地震動を用いて、振動数と振幅に基づく地理的な修正を行い空間的補間によって推定される。作成される地図は、地震後数分以内にインターネットを通して一般および科学研究用に公開される。我々はカリフォルニア州の緊急サービス事務局(Office of Emergency Service-OES)と協力して、緊急対策機関と、主要なシェイクマップユーザーに特化した通信を開発実験している。OESはロータスノート(Lotus Notes) システムをベースにした対策情報管理システム(Response Information management System : RIMS)を通じてシェイクマップを配信する。加えて、シェイクマップの地上動の分布は既存のツール(HAZUS とEPEDAT)を使い、被害推定のための手掛かりとしてOESに送られる。TriNetは主要施設への影響を調査し、地震後の対策をたてるという効用により、シェイクマップのデータファイル実用配信の試験も行っている。
USGSはまた、インターネットベースの、地震後の情報収集の新システムを使った実験も行う。これは地震の震度と被害に焦点を当てたものである。カリフォルニア州で地震発生後直ちに、インターネットユーザーからのゆれと被害の報告が集められ、自動的に震度マップが出てくる。地域住民がインターネットから得た用紙を使って、震度調査アンケートを提出し、それが震度を示す数字に換算されるのである。情報を我々のウェブサイトを通して受け取り処理している間、郵便番号別に地域が色分けされ、ウェブベースのインタラクティブな地震震度分布の地域地図が更新される。これを適用すると、単純に多くの人手を使って震度調査を郵送、処理して解釈するよりもずっと迅速に震度地図の作成が可能になる。このコミュニティ・インターネット震度システム (Community Internet Intensity System) の特徴は、根本的に地域との密接な関わりに立脚する。結果的にはその関わりが深められる。長期的にはこういった関わりがゆれの種類や地震被害への理解を深める。一般大衆が、地震データを正確かつ確実に記録する精密な機器の必要性をより意識することが望まれる。
Trinet及びShakeMapのウェブサイトはhttp://www.trinet.org. Community Internet Intensity Mapのウェブサイトは http://www.-social.wr.usgs.gov/ciim.html