第2章 情報活動
計画作成の主旨
情報の収集伝達を迅速かつ的確に実施するため、県、市町村及び防災関係機関の連携の強化による情報の一元化を図ることを基本として、情報の収集及び伝達体制の整備を推進することを目的とする。
計画の内容
52−1 基本方針
1 県、市町村間の情報活動の緊密化
(1) 情報の収集及び伝達は、災害対策本部と支部、支部と市町村災害対策本部各相互のルートを基本として警察署及び防災関係機関と緊密な連携のもとに行う。
(2) 情報活動の緊密化のため警察署は、支部及び市町村災害対策本部に警察官を派遣するものとし、支部も市町村災害対策本部に職員を派遣する。
2 報道機関との情報活動の連携
日本放送協会、静岡放送株式会社、株式会社テレビ静岡、株式会社静岡朝日テレビ、株式会社静岡第一テレビ及び静岡エフエム放送株式会社は、あらかじめ県と締結した災害時における放送要請に関する協定に基づき、正確・迅速な情報の伝達を行う。
3 情報活動の迅速的確化
災害応急対策を迅速かつ効果的に実施するため、あらかじめ収集及び伝達すべき情報について、その種類、優先順位、取扱い部局等を「情報広報実施要領」に定める。
4 国の緊急災害対策本部(又は非常災害対策本部)との連携
緊急災害対策本部(又は非常災害対策本部)に対する報告、要請等は災害対策本部において取りまとめて実施する。
また、県に緊急災害現地対策本部(又は非常災害現地対策本部)が設置された場合には、災害対策本部は当該現地対策本部との連携を図る。
52−2 情報の内容等
1 県
(1) 地震情報等の受理、伝達、周知
ア 国(気象庁)から伝達される地震情報、気象情報、警報等(以下「地震情報等」という。)は災害対策本部(災害対策本部設置前においては警戒本部又は災害対策室直通無線電話及び有線電話)で受理する。
イ 市町村及び防災関係機関に対する地震情報等の伝達は防災行政無線を中心に行う。
ウ 地震情報等は報道機関の協力を得て、県民に周知徹底を図る。
(2) 被害状況及び災害応急対策に関する情報の収集、伝達
収集、伝達すべき情報の主なものは次のとおりであり、種類、優先順位、取扱部局等を「情報広報実施要領」にあらかじめ定める。
なお、地震発生直後においては、災害の規模の把握のため必要な情報の収集に特に留意する。
ア 緊急要請事項
イ 被害状況
ウ 火災の発生状況と延焼拡大状況
エ 市町村及び防災関係機関の災害応急対策実施状況
オ 交通規制等道路交通状況
カ ガス、水道、電気等生活関連施設の状況
キ 避難状況
ク 緊急輸送実施状況
ケ 自衛隊活動状況
コ 広域救護病院及び救護病院の活動状況
2 市町村
(1) 地震情報等の受理、伝達、周知
ア 災害対策本部から通知される地震情報等の受理は、市町村災害対策本部(災害対策本部設置前においては、市町村警戒本部、もしくは防災担当課)において受理する。
イ 地震情報等は、同時通報用無線、有線放送、広報車等を活用して、住民等に対して周知徹底を図るものとする。
(2) 災害応急活動に関する情報の収集及び伝達
ア 収集及び伝達すべき情報の主なものは次のとおりであり、種類、優先順位、取扱い課等を県に準じあらかじめ定めておくものとする。
なお、地震発生直後においては、災害の規模の把握のため必要な情報の収集に特に留意する。
イ 地域派遣市町村職員、消防団員、自主防災組織の構成員等のうちから地域における情報の収集・伝達責任者をあらかじめ定め迅速、的確な情報の収集に当るものとする。
(ア) 被害状況
(イ) 避難の勧告・指示又は警戒区域設定状況
(ウ) 生活必需物資の在庫及び供給状況
(エ) 物資の価格、役務の対価動向
(オ) 金銭債務処理状況及び金融動向
(カ) 避難所の設置状況
(キ) 避難生活の状況
(ク) 医療救護施設の設置状況並びに医療救護施設及び病院の活動状況
(ケ) 応急給水状況
(コ) 観光客等の状況
3 防災関係機関
(1) 地震情報等の収集及び伝達
災害対策本部から伝達される地震情報等の受理については、受信方法、受領者を別に定め、あらかじめ県に届けるものとする。
(2) 災害応急対策に関する情報の収集及び伝達
収集すべき情報の主なものは次のとおりである。
ア 被害状況
イ 災害応急対策実施状況
ウ 復旧見込み等
52−3 情報の収集
1 県
災害応急活動に必要な初期情報及び被害の状況等の収集は、防災行政無線等を活用して行うほか、次の方法、手段を用いる。
(1) 震度情報の収集
県庁、県行政センター及び市町村に設置した計測震度計により、震度情報の収集を行う。
(2) 航空機による収集
災害対策本部は、大規模地震発生後、直ちに自ら保有する航空機からの偵察の活用及び自衛隊等の支援を得て航空偵察により被害概況を収集する。
(3) 職員派遣による収集
ア 支部は大規模地震発生後、直ちに職員を市町村に派遣し、市町村より被害状況及び災害応急対策実施状況等の情報を収集する。
イ 公共土木施設等の被害状況等の情報の収集
公共土木施設等の管理者は、あらかじめ定める計画に基づき、現地に職員を派遣し道路、港湾及び漁港等の被害状況の情報を収集する。
なお、職員の派遣が困難の場合は、建設業協会等に対して別に定める協定に基づき、公共土木施設の被害状況の情報の収集を要請する。
(4) 参集途上の職員による収集
勤務時間外において大規模地震が発生した場合には、参集職員から居住地及び参集途上の各地域における被害概況について、情報収集を行う。
(5) 防災関係機関からの収集
防災関係機関から防災相互無線等により被害情報の収集を行う。
2市町村
災害応急活動に必要な初期情報及び被害の状況等の収集は、防災行政無線、消防無線等を活用して行うほか、次の方法、手段を用いる。
(1) 職員派遣による収集
地震発生後、ただちに職員を地域に派遣し、被害状況及び災害応急対策実施状況等の情報を収集する。
(2) 自主防災組織等を通じての収集
自主防災組織等を通じ、地域の被害状況及び災害応急対策実施状況等の情報を収集する。
(3) 参集途上の職員による収集
勤務時間外において大規模地震が発生した場合には、参集職員から居住地及び参集途上の各地域における被害概況について、情報収集を行う。
3 防災関係機関
災害応急対策に必要な情報は、防災関係機関がそれぞれの責任において収集する。
52−4 情報伝達の手段
情報の伝達は、次の手段を有効に活用して行う。
1 防災行政無線
主として県と市町村間の情報伝達に用いる。
2 中央防災無線(緊急連絡用回線)
内閣総理大臣官邸及び緊急災害対策本部(又は非常災害対策本部)等と直接通信連絡を行う必要がある場合に用いる。
3 その他の無線及び有線電話等
孤立防止用無線、災害応急復旧用無線、同時通報用無線、消防無線、防災関係機関所属の無線を利用した非常通信、非常通話、非常電報等のほか、パーソナル無線、新簡易無線、アマチュア無線等による非常通信及び有線電話等のあらゆる通信手段を用いて情報の伝達を行う。
4 報道機関への協力要請による伝達
広範囲の住民に伝達する場合は、情報を報道機関に提供し、ラジオ、テレビを用いて周知を図る。
5 自主防災組織を通じての連絡
主として市町村が地域内の情報を伝達する場合に活用する。
6 広報車等の活用
52−5 報告及び要請事項の処理
1 国及び防災関係機関に対する報告及び要請
(1) 国に対する被害状況及び講じた措置の概要の報告並びに必要な措置の要請は、災害対策本部から中央防災無線(緊急連絡用回線)無線電話等により行う。また防災関係機関に対し災害対策本部から必要な措置の要請を行う。
(2) 「災害対策基本法」第53条第2項の規定に基づき、県が内閣総理大臣に被害状況等を報告すべき災害は、次のとおりである。
ア 災害対策本部を設置した災害
イ 災害の状況及びそれが及ぼす社会的影響等からみて特に報告の必要があると認められる程度の災害
ウ ア及びイに定める災害になるおそれのある災害
なお、内閣総理大臣への報告は、県からは消防庁に報告し、消防庁が国土庁(内閣総理大臣)へ報告する。
(3) (2)の災害が発生した場合には、迅速な情報の収集・伝達に特に留意し、当該災害等の概要と被害等の状況を把握できる範囲内で第一報を行うとともに、被害等の状況(特に死傷者の数)の判明又は災害等の状況の変化にしたがい、逐次、第二報以降の情報収集・伝達を行うこととする。
2 災害対策本部に対する報告及び要請
(1) 市町村災害対策本部は、「情報広報実施要領」に定める情報事項について速やかに災害対策本部に対し報告し、又は要請を行うものとする。
ただし、災害対策本部に報告できない場合は、一時的に消防庁へ報告する。なお、連絡がつき次第、災害対策本部にも報告する。
情報及び要請すべき事項の主なものは次のとおりである。
ア 緊急要請事項
イ 被害状況
ウ 市町村の災害応急対策実施状況
なお、消防機関への通報が殺到した場合においては、直ちにその状況を災害対策本部及び消防庁へ報告するものとする。
(2) 防災関係機関は、「情報広報実施要領」に定める情報項目について速やかに災害対策本部に対し報告を行うものとする。
その主なものは次のとおりである。
ア 緊急要請事項
イ 被害状況
ウ 災害応急対策実施情況
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