第2章 地震対策緊急整備事業計画
東海地震による災害から県土並びに県民の生命、身体及び財産を保護するため、地震防災上緊急に整備すべき施設等について「地震防災対策強化地域における地震対策緊急整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律」に基づく地震対策緊急整備事業を実施する。事業の実施期間は昭和55年度から平成11年度までの20年間である。
1 消防用施設の整備
(1) 事業の目的
地震の発生時に予想される火災から、人命、財産を守るため、消防ポンプ自動車、防火水槽、可搬式小型動力ポンプ等の消防用施設の整備を図る。
(2) 整備の水準
「消防力の基準」及び「消防水利の基準」に基づき消防ポンプ自動車、100m3 耐震性貯水槽、60m3 耐震性貯水槽、40m3 級防火水槽、可搬式小型動力ポンプ等を整備する。
特に建築物の密集地域には、耐震性貯水槽と移動が容易な可搬式小型動力ポンプを重点的に整備する。
(3) 事業総括表
事業名 | 事業主体 | 事業概要 | 概算事業費 |
消防防災施設整備事業 | 市町村 | 100m3 耐震性貯水槽421基、60m3 耐震性貯水槽419基、40m3 級防火水槽3,830基等 | 21,212百万円 |
消防防災施設整備事業 | 市町村 | 消防ポンプ自動車535台、はしご車44台、可搬式小型動力ポンプ1,539台等 | 17,458 |
計 | 38,670 |
2 通信施設の整備
(1) 事業の目的
警戒宣言発令時及び地震発生時には、電話のふくそう、途絶が予想される。このため、防災関係機関の情報収集、伝達を円滑にするため必要な無線通信施設を整備する。なお、市町村事業については整備の促進を図る。
(2) 整備の水準
市町村から地域住民へ情報を的確に伝達するため、津波危険予想地域、山・崖崩れ危険予想地域、市街地を優先して県下全域に無線通信網を整備する。
また、県、市町村間の情報を正確かつ迅速に収集、伝達するために県防災行政無線の整備拡充を図る。
(3) 事業総括表
事業名 | 事業主体 | 事業概要 | 概算事業費 |
防災行政無線回線強化整備事業 | 県 | 中継局新設5、回線中継2,000MHz化、市町村等端末22ブロック分割整備 | 1,134百万円 |
同時通報用無線施設等整備事業 | 市町村 | 38市町村、親局36、基地局8、中継局9、子局10,251、移動局352 | 4,290 |
計 | 5,424 |
1 避難地の整備
(1) 事業の目的
広域避難地について、避難困難地区の解消、収容能力の増強等避難危険の解消を図る。
(2) 整備の水準
地震災害の恐れが高く、人口の集中した地域をかかえる9都市において、避難距離2km以内に面積10ha以上(既存のオープンスペース等を含む。)の広域避難地を確保することを目途に整備の促進を図る。
(3) 事業総括表
事業名 | 事業主体 | 事業概要 | 概算事業費 |
公園事業 | 市 | 16箇所 約63.2ha | 27,915百万円 |
2 避難路の整備
(1) 事業の目的
幹線避難路について避難時間の短縮、避難有効幅員の拡大、避難路の安全性の向上等避難の円滑化を図る。なお、市町村事業については、整備の促進を図る。
(2) 整備の水準
地震災害の恐れが高く、人口の集中した地域をかかえる10都市において、広域避難地へ至る主要な避難路のうち、多数の住民の安全な避難を確保するため特に必要と認められる道路について、幅員15m以上に拡幅改良を行うとともに、老朽橋の架け替えを行う。
(3) 事業総括表
事業名 | 事業主体 | 事業概要 | 概算事業費 |
街路事業 | 県 | 6箇所 延長約1.4km | 9,072百万円 |
市 | 22箇所 延長約12.6km | 29,712 | |
小計 | 28箇所 延長約14.0km | 38,784 | |
土地区画整理事業 | 市 | 5箇所 延長約1.3km | 6,529 |
組合 | 2箇所 延長約0.9km | 951 | |
小計 | 7箇所 延長約2.2km | 7,480 | |
計 | 35箇所 延長約16.2km | 46,264 |
1 道路の整備
(1) 事業の目的
緊急輸送路として、1次ルート(高規格幹線道路、一般国道等広域的な重要道路及びアクセス道路で、輸送の骨格をなす道路)、2次ルート(1次ルートと市町村役場及び重要な拠点を結ぶ道路)及び3次ルート(1次及び2次ルートと市町村役場の支所とを結ぶ道路及びその他の道路)を指定し、人員・物資の輸送に支障のないように整備する。
(2) 整備の水準
1次、2次、3次緊急輸送路について、トンネル、盛土、切土、落石危険箇所、崩壊危険箇所等で東海地震により大きな被害が予想され、緊急に対策を必要とする箇所の改良、災害防除及び橋梁の整備を行う。
(3) 事業総括表
事業名 | 事業主体 | 事業概要 | 概算事業費 |
(改築) | 百万円 | ||
道路改良事業(一般道路) | 県 | 約33箇所 | 57,677 |
〃(県道) | 〃 | 約37箇所 | 32,694 |
特改一種事業(一般国道) | 〃 | 約20箇所 | 8,660 |
〃(県道) | 〃 | 約28箇所 | 6,900 |
橋梁整備事業(一般国道) | 〃 | 約23箇所 | 5,295 |
〃(県道) | 〃 | 約3箇所 | 4,899 |
小計 | 約144箇所 | 116,125 | |
(橋梁) | |||
橋梁整備事業(一般国道) | 県 | 約2箇所 | 2,194 |
〃(県道) | 〃 | 約4箇所 | 3,546 |
橋梁補修事業(一般国道) | 〃 | 約19箇所 | 3,610 |
〃(県道) | 〃 | 約11箇所 | 816 |
小計 | 約36箇所 | 10,166 | |
(災害防除) | |||
災害防除事業(一般国道) | 県 | 約507箇所 | 21,129 |
〃(県道) | 〃 | 約465箇所 | 13,996 |
小計 | 約972箇所 | 35,125 | |
計 | 約1,152箇所 | 161,416 |
2 港湾施設の整備
(1) 事業の目的
人員・緊急物資・復旧用資機材等の輸送の機能を確保するために、耐震強化岸壁を整備し、発災後は海路による救援活動を積極的に行う。なお、市町村事業については、整備の促進を図る。
(2) 整備の水準
伊豆半島、東部、中部、西部の4地区に防災拠点港湾(熱海港、下田港、沼津港、田子の浦港、清水港、御前崎港)及び防災拠点港湾を配置し、緊急輸送路と関連させて耐震強化岸壁等の整備を図る。
(3) 事業総括表
事業名 | 事業主体 | 事業概要 | 概算事業費 |
港湾改修事業 | 県 | 岸壁6港 延長約800m | 7,196百万円 |
物揚場3港 延長約293m | |||
町 | 岸壁1港 延長約90m | 191 | |
計 | 岸壁7港 延長約890m | 7,387 | |
物揚場3港 延長約293m |
3 漁港施設の整備
(1) 事業の目的
緊急物資・復旧用資機材等の輸送の機能を確保するために耐震岸壁を整備し、海路による救援活動を積極的に行う。なお、市町村事業については整備の促進を図る。
(2) 整備の水準
港湾施設と関連して海路による救援活動を行うのに必要な漁港について、耐震岸壁を新設又は改良する。
(3) 事業総括表
事業名 | 事業主体 | 事業概要 | 概算事業費 |
漁港修築改修事業 | 県 | 福田漁港 岸壁延長約 450m | 1,577百万円 |
焼津漁港 岸壁延長約 120m | |||
町 | 地頭方漁港 岸壁延長約 150m | 257 | |
計 | 3港 岸壁延長約 720m | 1,834 |
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