東海地震対策

第3編 地震防災施設緊急整備計画

 「地震防災対策強化地域における地震対策緊急整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律」に基づく地震対策緊急整備事業、「地震防災対策特別措置法(平成7年法律第111号)」に基づく地震防災緊急事業及びその他の地震対策事業により、地震防災上緊急に整備すべき施設等の整備の方針を示す。

第1章 地震防災施設整備方針

東海地震等による災害から県土並びに県民の生命、身体及び財産を保護するため、次の事項を目的に、地震防災上緊急に整備すべき施設等の整備を行う。
1) 多数の人的被害が発生するおそれのある地域における被害要因を予め除去又は軽減すること。
2) 地震発生後の被災地域住民等の生活を確保すること。
3) 地震発生後の混乱を緩和し、救護活動を中心とする災害応急対策を確保すること。
 各施設等の整備にあたっての基本的な考え方は次のとおりであるが、各施設等の整備について相互の整合性を図り総合的に推進するものとする。

31−1 防災業務施設の整備

1 消防用施設の整備及び消火用水対策
 地震の発生時に予想される火災から、人命、財産を守るため、消防ポンプ自動車、消火水槽、耐震性貯水槽、可搬式小型動力ポンプ等の消防用施設の整備を図る。
 また、河川、農業用用排水施設等の流水を消火活動に活用するなど多角的な水源の確保に必要な施設の整備を図る。
2 通信施設及び情報処理体制の整備
 地震発生時及び警戒宣言発令時に予想される電話のふくそう、途絶に対応する情報体制の整備を図る。このため、防災関係機関が災害情報等を迅速かつ的確に把握し、防災対策を円滑に実施するために必要な無線通信施設を整備するとともに、情報を集約、分析するための情報提供システムの高度化を図る。
 また、住民等の混乱を防止し、生活を支援するための情報提供システムの整備を図る。

31−2 地域の防災構造化

1 避難地の整備
 既成市街地の区域及びその周辺の地域において、避難困難地区の解消、避難者の収容能力の増強等避難の阻害要因を解消するため、一次避難地及び広域避難地の整備を図る。
 農村、山村、漁村においては、避難人口の規模に応じた避難地の整備を図る。
2 避難路の整備
 幹線避難路等市町村長の指定する避難路について、所要避難時間の短縮、避難有効幅員の拡大、避難路の安全性の向上等避難の円滑化を図る。
3 消防活動用道路の整備
 人口密集地等で人家が連担し、それに比して道路が十分整備されていないため、十分な消防活動を行うことができないおそれがある区域においては、道路の拡幅、直線化等により消防活動の円滑化を図る。
4 共同溝、電線共同溝等の整備
 災害時におけるライフライン機能の確保のため、共同溝、電線共同溝等の電線、水管等の公益物件を収容するための施設について、各事業者と調整を行いつつ整備を図る。
5 老朽住宅密集市街地地震防災対策
 建物の倒壊や延焼火災の危険性が高い老朽住宅密集市街地の解消のため、市街地の面的な整備、建築物の耐震・不燃化等により地震に強い都市構造の形成を図る。

31−3 緊急輸送路の整備

1 道路の整備
 地震発生時に予想される陸路の寸断に備え、緊急輸送のためにルートの多重化や代替性を考慮し、海路、空路を含めた緊急輸送ネットワーク(橋梁等社会基盤施設を含む)を構築する。緊急輸送道路として、1次ルート(高規格幹線道路、一般国道等広域的な重要路線及びアクセス道路で輸送の骨格をなす道路)、2次ルート(1次ルートと市町村役場及び重要な拠点を結ぶ道路)及び3次ルート(1次及び2次ルートと市町村役場の支所とを結ぶ道路及びその他の道路)を指定し、道路を整備し事前に交通障害の防止又は軽減措置を図る。
2 港湾・漁港施設の整備
 人員・緊急物資・復旧用資機材等の輸送の機能を確保するために、防災拠点港湾、防災港湾を指定し、耐震強化岸壁等の整備を図る。
3 交通管制施設の整備
 災害時の交通の混乱を防止し、円滑な緊急輸送を実施するために、交通情報の収集又は提供に係る交通管制施設を整備するとともに、信号機の無停電化を図る。
4 ヘリポートの整備
 緊急輸送、救援活動等において空路を有効に利用するためにヘリポート及びその付帯設備の整備を図る。

31−4 防災上重要な建物の整備

1 医療救護施設の整備
 在院患者の安全と医療救護機能を維持するために必要な病院施設の耐震化の促進を図る。
2 社会福祉施設の整備
 社会福祉施設の収容者等を地震災害から守るため施設の耐震化を図る。
3 学校等施設の整備
 児童、生徒の生命の安全を確保するとともに、円滑な避難等の災害応急対策を実施するため、学校等の施設の耐震化を図る。
4 不特定多数が利用する公的建物の整備
 教養文化施設、集会施設、スポーツレクリエーション施設等不特定多数の者が利用する公共施設の耐震化を図る。
5 庁舎、消防施設、警察施設等の整備
 庁舎、消防施設、警察施設、緊急物資集積場所に指定されている施設等災害対策の拠点となる施設の耐震化を図る。
6 地域防災拠点施設
 地域の防災活動を円滑に実施するため、また平常時には防災に関する広報・訓練を実施するための拠点となる施設の整備を図る。

31−4 災害防止事業

1 山崩れ、地すべり等の防止
 地震による災害の発生を防止するために、地すべり危険箇所、急傾斜地崩壊危険箇所、土石流危険渓流及び保安林又は保安施設地区について、防災施設の整備を図る。
 また、ため池等の破壊及び貯水の溢水による被害を防止するために、耐震補強を行う。
2 津波による災害の防止
 津波の著しい被害が生じるおそれのある地域における住民の生命・身体・財産を保護し、避難の円滑化を図るために、河川・海岸・港湾・漁港施設の整備を図る。

31−6 災害応急対策用施設等の整備

1 飲料水・電源等を確保するための施設又は設備の整備
飲料水を確保するため、配水地等上水道施設の耐震化及び緊急連絡管並びに緊急遮断弁の整備を図るとともに、応急対策、避難対策などの拠点施設等に飲料水。電源等を確保するための施設又は設備の整備を図る。
2 備蓄倉庫の整備
 食料、生活必需品等の物資及び防災資機材の備蓄のため、備蓄倉庫の整備を図る。
3 応急救護設備等の整備
 負傷者の応急救護等の救護機能を確保・強化するため、救護設備その他の応急的な措置に必要な設備又は資機材の整備を図る。
4 緊急輸送用車両等の整備
 緊急輸送及び情報収集を迅速に行うため、車両、高速輸送船及び航空機の整備を図る。

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