●住民の震災体験やボランティアとの出会いなどについて話を聞く
住民から震災当時の話を聞いた。ボランティアを受けた経験や、いやな思いを受けたことなども率直に話された。
震災当時の話をうかがう
震災の時は、毛布一枚持って、着の身着のままで近所の学校まで逃げました。仮設住 宅に住んでいましたが、昨年4月にできたこの復興住宅に入居できました。復興住宅 に入って迎えた今年の正月は、本当に幸せだなあって思って過ごしました。
全国のみなさんに、食べ物から着物まですべてのものをもらって何不自由のないよう にしてもらいました。その時の震災の怖さよりも、全国からみなさんにいただいた温 かい真心がうれしくて、1日何回泣かされたことか分かりません。それが今でも、震 災以上の思い出として残っています。つらい思い、怖い思いがみんな吹き飛んでしま うほど、みなさんの真心が温かかったのが忘れられません。地震のおかげで私の心も 人生も変わったように思うほど感謝でいっぱいです。
震災の時、家族は助かったけれど、親しくしていた近所の人たちが生き埋めになって 、そのまま亡くなった人もいました。助けに行っていた人たちが何とも言えない顔で 帰ってくるのですが、家族もショックすぎて泣くこともできないし、私たちも見てい ていたたまれない思いでした。そんな中で、自然の力に人間は及ばないって、食べ物 も水もないし、コンビニなんかに行っても何も売ってないし、お金持っていても何に も役に立たない。そういう状況に陥って、人間ってちっぽけなものやなって、いろい ろな人に助けてもらって、人の気持ちってありがたいなって、人間まだまだ捨てたも のじゃないなって思いました。
みんなつらい思いをしたけれど、みんな仲良く、被災者同士助け合って、がんばって いきたいと思っています。寒い時期に、グラウンドで炊き出しをしてくれたボランティアのことをお話しします 。その頃の食事の配給は、朝がパン2つと牛乳1本、夜は幕の内弁当で、昼食はなか ったのですが、ボランティアの人たちが来て、昼の12時からうどんを配ってくれる ことになっていました。私たちは、震災で仕事を失って、することもなかったから、 11時半頃から並びに行っていました。並んでいる側からすれば、寒いし早く欲しい なって思いますよね。でも、ボランティアの人たちに、「きっちり12時まで待ちな さい!」「まだ、早い早い、きちっと並べよ!」っていわれたんです。その時、ちょ っと寂しかったなあって、涙がでてきました。そういうときの人間の気持ちって、あ あいうときの心境って、どうにもならないですね。 後から考えてみたら、大きな震災だったから、みんなどうすることもできなかったし 、彼らの言動も理解はできます。もちろん、彼らの活動には感謝しています。 今度、どこかで地震があったときにみなさんは何かできる、ということが今日の活動 の成果だと思います。
「心の傷は少しずつ癒されているけれど、やはり深く残っているのだと思った」 (東京都・女)
住民の話を熱心に聞く参加者
ボランティアって何なのか考えさせられました。してあげるっていう感覚でなくて、 相手と同じ視線に立って物事を考えて、してあげると言うことがボランティアにとって大切なことだし、当然だと思いました。ボランティアしたことに対して感謝しても らえることや、素直な気持ちで活動できて、相手との信頼関係ができたとき、ボラン ティアって素晴らしいと言えるんじゃないかと思いました。
「住民の皆さんは温かく、前向きに生きていると思った」 (岐阜県・男)
準備の合間をぬって取材に応じる参加者
「マスコミ取材に不満感はあったが、これもまた経験を風化させないための手段の一つと思えるようになった」 (大阪府・女)
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