【区分】
Ⅸ.台風第23号
第1期 台風第23号について
1-2. 台風の勢力
1.降雨の状況
【教訓情報】
01.台風第23号による降雨は、九州から関東地方にかけて日降水量の極値を更新した。
【文献】
◆台風や前線の影響による10月18日から21日にかけての総雨量は、四国地方や大分県で500mmを超えたほか、近畿北部や東海、甲信地方で300mmを超え、広い範囲で大雨となった。特に20日は九州地方から関東地方にかけての多くの地点で日降水量の極値を更新した。
◆(18日)台風は沖縄の南海上を北西に進み、九州の南海上に前線が停滞した。台風を取り巻く雨雲が南西諸島にかかりはじめた。日降水量は九州南部の多い所で90mm前後となった。
◆(19日)台風は沖縄本島から奄美諸島沿いに進み、九州南部から本州南岸に前線が停滞した。昼前から鹿児島県、宮崎県、高知県で激しい雨が降り、南西諸島から西日本の太平洋側を中心に大雨となった所があった。
◆(20日)台風は九州の南海上を北東に進み、四国、近畿地方に上陸、横断して東海地方に進んだ。13時30分までの1時間に徳島県神山町旭丸で74mm、14時50分までの1時間に高知県芸西村で87mm、15時30分までの1時間に兵庫県洲本市で72mm、16時00分までの1時間に三重県宮川村で73mmを観測し、九州地方から東海地方にかけて非常に激しい雨が降った。日降水量は四国地方で400mmを超えたほか、西日本の各地で300mm前後となった所が多く、九州地方から東北南部にかけて広範囲に大雨となった。特に、京都北部では大半のアメダス地点で日降水量の極値を更新したほか、気象官署では、兵庫県洲本、香川県高松などで日降水量の極値を更新した。
(日降水量の極値を更新した観測点)愛媛県四国中央市富郷441mm、大分県蒲江町369mm、香川県東かがわ市引田333mm、兵庫県洲本市309mm、岐阜県荘川村六厩290mm、京都府舞鶴市277mm、福井県小浜市232mm
◆(21日)台風は甲信地方を通って関東地方で温帯低気圧となった。北陸地方や東北地方を中心に昼前まで雨が降り、日降水量は新潟県の多い所で50mm前後となったが、大雨となった所はなかった。
[『災害時自然現象報告書 2004 年第6号』気象庁(2004/11),P.3]
◇[『災害時自然現象報告書 2004 年第6号』気象庁(2004/11),P.27]
◇[『災害時自然現象報告書 2004 年第6号』気象庁(2004/11),P.29-37]