「地震から生命を守る」2001しずおか技術コンクール【静岡県】
特徴
1. 防災に関する技術・アイデアのコンクールにとどまらず、企業と県工業技術センターの共同開発による商品化、普及のための市町村への補助制度の創設など、県民への普及定着のための継続的な取組みにつなげた。
2. コンクールの成果を広く県民に紹介することにより、住宅の耐震化を促進するための普及啓発に結びつけた。
概要
「「地震から生命を守る」2001しずおか技術コンクール」は、静岡県による住宅の耐震化促進プロジェクト「TOUKAI(東海・倒壊)−0(ゼロ)」の一環として、2001年に実施された。
防災器具部門のアイデアの部の最優秀賞を受賞したデザインを基に、「防災ベッド」が開発・製作され、県民への普及が図られている。
防災ベッド | コンクールの募集ポスター |
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目的
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1. コンクールの目的
地震による家屋の倒壊から命を守ることを目的として、全国から低廉で簡便な木造住宅の耐震補強工法や生命・身体の安全を確保するための防災器具の技術・アイデアを募集する。
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2. プロジェクト「TOUKAI(東海・倒壊)−0(ゼロ)」の目的
既存の木造住宅の耐震化を促進し、震災時における人命の安全を確保する。
経緯及び活動状況
1. 予想される東海地震の第3次地震被害想定では、静岡県内で、建物大破が19万2千棟、死者が最大5,900人、このうち建物の倒壊による死者が4,600人と約8割を占めることが想定される一方で、1981年5月以前に建築された旧耐震基準の木造住宅が、2006年4月現在、約38万戸存在する状況にある。
2. 住宅の耐震改修が進まない理由としては、耐震補強の工事費の高さ、耐震補強工法のバリエーションの不足、東海地震の切迫性と被害の甚大性の認識不足などが指摘されている。
3. このため、静岡県では、2001年度から「東海地震における旧基準の木造住宅の倒壊による死者をゼロにする」ことを目標とするプロジェクト「TOUKAI(東海・倒壊)−0(ゼロ)」を推進している。
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4. プロジェクトの一環として実施した「「地震から生命を守る」2001しずおか技術コンクール」の概要は、以下のとおり。
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(1)コンクールの部門
耐震補強部門(低廉で簡便な木造住宅の耐震補強工法)
個人の部、企業・団体の部防災器具部門(生命・身体の安全を確保するための防災器具の技術・アイデア)
アイデアの部、実用の部
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(2)応募状況
耐震補強部門 127作品
防災器具部門 418作品
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(3)表彰
耐震補強部門 9作品 (最優秀賞 2作品、優秀賞 7作品)
防災器具部門 8作品 (最優秀賞 1作品、特別賞 7作品)
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5. 防災器具部門のアイデアの部の最優秀賞を受賞したデザインを基に、公募により選定した企業と静岡県静岡工業技術センターの共同開発により、「防災ベッド」を商品化した。「防災ベッド」は、上部に鋼製の防護フレームを備えたベッドで、費用の面等から、住宅の耐震補強工事が難しい方や在宅で寝たきりの要介護者などが、1階で就寝中に地震に襲われて住宅が倒壊しても、安全な空間を確保でき、命を守ることができるような構造となっている。
6. 2002年度には、市町村への県単独の補助制度を創設し、「防災ベッド」の一般家庭への普及を図っている。
団体名 | 静岡県 | |
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連絡先 | 住所 | 〒420-0853 静岡県静岡市葵区追手町9番6号 |
担当 | 総務部防災局防災情報室 | |
電話番号 | 054−221-2644 | |
boujou@pref.shizuoka.lg.jp | ||
URL | http://www.taishinnavi.pref.shizuoka.jp/toukai0/ promotion_of/competition.html |
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