検索の使い方
内閣府ホーム > 内閣府の政策 > 防災情報のページ > 広報・啓発活動 > 災害被害を軽減する国民運動 > 災害対応カードゲーム教材「クロスロード」(減災への取組)
特徴
1.
カードゲームを通じ、参加者は、災害対応を自らの問題としてアクティブに考えることができ、かつ、自分とは異なる意見・価値観の存在への気づきも得ることができる。
2.
防災に関する困難な意志決定状況を素材とすることによって、決定に必要な情報、前提条件についての理解を深めることができる。
災害対応カードゲーム教材「クロスロード」は、カードを用いたゲーム形式による防災教育教材である。
ゲームの参加者は、カードに書かれた事例を自らの問題として考え、YESかNOかで自分の考えを示すとともに、参加者同士が意見交換を行いながら、ゲームを進めていく。
目的
災害対応を自らの問題として考え、また、様々な意見や価値観を参加者同士共有すること。
災害対応においては、必ずしも正解があるとは限らず、また、過去の事例が常に正解でないこともある。ゲームを通じ、それぞれの災害対応の場面で、誰もが誠実に考え対応すること、また、そのためには災害が起こる前から考えておくことが重要であることに気づくことが重要である。
災害対応カードゲーム教材「クロスロード」は、大地震の被害軽減を目的に文部科学省が進める「大都市大震災軽減化特別プロジェクト」の一環として開発されたもので、2004年7月に、最初となる「神戸編・一般編」が完成した。
「神戸編・一般編」は、同プロジェクトの中で実施した、阪神・淡路大震災において災害対応にあたった神戸市職員へのインタビューの内容がもとになっており、実際の対応において神戸市職員が経験したジレンマの事例をカード化ものである。
3.
「神戸編・一般編」をもとに、その後「市民編」、「高知編」、「学校安全編」、「大学生編」、「要援護者編」などが作成されている。「神戸編・一般編」と「市民編」は、京都大学生協を通じ一般にも販売されている。
4.
「クロスロード」とは、「重大な分かれ道」、「人生の岐路」のことであり、「神戸編・一般編」では、「人数分用意できない緊急食料をそれでも配るか」、「学校教育の早期再開を犠牲にしても学校用地に仮設住宅を建てるか」、「事後に面倒が発生するかもしれないが、がれき処理を急ぐため分別せずに収集するか」など、神戸市職員が実際に迫られた難しい状況判断がカードとして出題される。
5.
ゲームの基本的な進め方は、カードの設問に対し、各自がYESかNOかで自分の意見を示す(または、多数派を予測する)、多数決により勝者を決定する。また、設問に対する正解は示されておらず、なぜそのように考えたのかについて、参加者同士で意見交換することが重要なポイントとなる。
6.
ゲームには、設問についての解説資料や指導者用の進行マニュアルなどを含む解説書が添付されているほか、より学習効果を高めるための参考図書も発行されており、全国各地の自治体、学校、市民団体などが、それぞれの目的に応じたルール変更を加えながら、防災教育教材として活用している。
7.
他に、防災に関するゲーム教材としては、遊びながら毎月の防災の備えを確認できる「大ナマジン防災すごろく」(制作:吉川肇子・矢守克也・網代剛・加藤太一)、楽しみながら防災知識が身に付く「ぼうさい駅伝」(制作:防災ゲーム研究会)などがある。
チームクロスロード(矢守克也(京都大学防災研究所助教授)、吉川肇子(慶應義塾大学商学部助教授)、網代剛(ゲームデザイナー))