振動実験教材「ぶるるくん」【名古屋大学】
特徴
1. 振動実験教材「ぶるるくん」は、地震時の建物の揺れや耐震化について、実際に見て、触れながら学ぶことができる防災教育教材である。
2. 様々なバリエーションのものがあり、振動になじみの薄い一般市民のみならず、建築技術者などにも振動を実感できる教材として、高い評価を受けている。
概要
「ぶるるくん」は、2000年に、手回し型の携帯型振動台として開発され、その後、防災知識の普及と耐震化推進などを目的に、名古屋大学と愛知県、名古屋市などが協力し実施された「中京圏における地震防災ホームドクター計画」(2002〜2004年度文部科学省「地域貢献特別支援事業」)の中で、防災教育用教材として広く普及が図られた。
現在では、使用目的に対応し、ペーパークラフト教材(紙ぶるる)から、人も乗れる台車式のもの(台車ぶるる)まで様々なタイプがある。
「紙ぶるる」を使った授業風景 | 「台車ぶるる」 |
---|
目的
1. 一般住民を対象に地震時の建物の揺れや耐震化についてわかりやすく説明するためには、言葉や図などの説明ではイメージが伝わりにくく、また興味を持って話を聞いてもらうためにも、実際に見て触れて学ぶ教材が必要である。
2. 「ぶるるくん」の名称は、最初に開発された携帯型振動台「手回しぶるる」のコンセプトである「運ぶ、回る、揺れる」から付けられた。
経緯及び活動状況
1. 「ぶるるくん」は、名古屋大学福和研究室が2000年に開発した、手回し型の携帯型振動台が第1号となる一連の振動実験教材の総称である。(名称の由来は前述のとおり)
2. 名古屋大学では、大学が自治体等と連携して行う地域貢献活動を重点的に支援する「文部科学省地域貢献特別支援事業」として、2002〜2004年度に、愛知県や名古屋市などと協力し、防災知識の普及と耐震化推進などを目的とする「中京圏における地震防災ホームドクター計画」を実施したが、一連の防災教育事業の中で、教材として広く普及が図られた。
3. その後、「ぶるるくん」第1号は、多くの方々からの防災教育教材としての利用希望の要望を受けて、広く普及することを目的に市販された。現在では、全国の大学、官公庁の防災や建築部局、博物館・科学館、防災ボランティア、建設会社・住宅メーカーなどで、100台程度が使用されている。
-
4. また、利用者からの多様な要望を受け、様々なタイプが開発されたが、現在の「ぶるるくん」シリーズ(主なもの)は、以下のとおりである。
(1) 各種模型を内在した手回し型携帯振動台「手回しぶるる」(第1号)
(2) 電動モーターで振動速度をコントロールできる「電動ぶるる」
(3) 運搬用台車を人も乗れる簡易振動台とした「台車ぶるる」
(4) 在来木造建物の倒壊の様子を実験するための詳細模型「木造倒壊ぶるる」
(5) 長周期地震動による超高層建物の揺れを体感する振動体感装置「ルンルンぶるる」
(6) 子どもでも楽しめるペーパークラフトで揺れの実験を行う「紙ぶるる」
(7) 小型の振動発生装置で建物を揺らす「起振機ぶるる」
(8) web上で手軽に振動論や建物の揺れ方を学ぶことができる「マウスでぶるる」
(9) 「木造倒壊ぶるる」の実験映像を観察できるパラパラ漫画「パラパラぶるる」
5. 「ぶるるくん」を用いた建物模型の倒壊実験を紹介するDVD教材の作成、「ぶるるくん」を活用した教育用ホームページ等を通じたe−ラーニングの試みなども行われている。
6. 「ぶるるくん」は、防災教育教材や地震シミュレーションとして、広くテレビ番組でも紹介されている。また、2006年4月には、政府の中央防災会議において、「地域防災力向上のための国民運動の展開」の実践例として、「ぶるるくん」シリーズの実演が行われた。
団体名 | 名古屋大学(福和研究室) | |
---|---|---|
連絡先 | 住所 | 〒464-8601 愛知県名古屋市千種区不老町 |
担当 | 名古屋大学環境学研究科(福和研究室) | |
電話番号 | 052-789-3757 | |
fukuwa@sharaku.nuac.nagoya-u.ac.jp | ||
URL | ../../../tolink/out547.html |
kth19001