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内閣府ホーム > 内閣府の政策 > 防災情報のページ > 広報・啓発活動 > 災害被害を軽減する国民運動 > かぐてんぼう隊(減災への取組)
特徴
1.
福祉住環境コーディネーター取得者、建築士、大工等のプロの職人と連携し、養成研修テキスト等の整備や、隊員養成講座、現場での技術指導を行うことにより、学生や地域住民ボランティアでも施工できる、家具固定の実践活動を行っている。
2.
一方で、高齢者の住宅内に入ることから、信頼を得るための工夫として、各地区の社会福祉協議会や民生委員などと協力した事前説明会を開催するなど、福祉関係者との連携にも十分配慮している。
「かぐてんぼう隊」は、高齢者の住宅における家具の転倒防止器具の設置等を推進するため、学生や地域住民による施工ボランティアを養成し、家具固定等の実践活動を行う取組である。
「かぐてんぼう隊」の活動は、任意団体である「わがやネット」(正式名称は「福祉住環境コーディネーター中部推進協議会」、以下同じ。)が、名古屋市内の各地区の社会福祉協議会、大学、建築関係及び福祉・防災関係ボランティアなどと連携し推進している。
地域住民への普及・啓発活動
(家具転倒予防対策の必要性と施工キャンペーン)
かぐてんぼう隊養成講座(学生部隊)
(インパクトドライバーの使い方と注意事項)
家具の転倒予防対策を通して、持続可能な防災と福祉のまちづくりを目指す。
(1)
養成研修に参加した受講生は、自分の家を施工する。(自助)
(2)
地域住民が主体となり施工部隊を結成する。(共助、生きがい・やりがい)
学生が利用者に喜ばれる。(やりがい教育、インターンシップ)
「かぐてんぼう隊」の推進母体である「わがやネット」は、東京商工会議所による「福祉住環境コーディネーター」の合格者の会として発足し、リフォームを中心とする高齢者の住環境整備に関する助言や技術指導などを行っていた。
「わがやネット」の代表者が名城大学大学院に入学したことをきっかけに、安全確保のための住環境整備と地域福祉のまちづくり研究から「かぐてんぼう隊」の構想が生まれた。
3.
家具の固定方法は、東京消防庁職員からの指導を受けた。当初、学生を対象に家具の固定方法を研修した後に、学生たちの自宅での現場実習を行い、「かぐてんぼう隊」(学生部隊)の養成研修とした。
4.
2005年1月には、正式に「かぐてんぼう隊」を立ち上げ、名古屋市内の天白区平針北学区を対象とする第1回施工キャンペーンを行い、約30件を施工した。第1回施工キャンペーンは、マスコミ各社に取り上げられたこともあり、実績のほかにも100件近くの問い合わせがあった。
5.
「かぐてんぼう隊」の活動が、2005年度の愛知県「持続的防災まちづくり企画提案事業」に採用されたことを契機に、養成研修のためのテキストや研修用施工アイテムの整備を行い、地域住民を対象とする「かぐてんぼう隊」(社会人部隊)の養成研修を行った。2006年3月には、守山区市営住宅を対象に、養成した社会人部隊による施工キャンペーンを行い、17件を施工した。
6.
「かぐてんぼう隊」の活動は、隊員となる学生や地域住民に加え、大工等のプロの職人による技術指導、各地区の社会福祉協議会等と連携した普及啓発など、建築関係者や福祉関係者をはじめとする多くのボランティアに支えられている。また、高齢者の住宅内に入ることから、地区の民生委員を通じた説明会の開催、マンションの防災委員会との連携などの信頼を得るための工夫を行うとともに、施工先に求める費用は金物など家具固定の材料と参加者の交通費、お弁当代、諸経費等の実費としている事もあり、これまでに100件以上の施工実績をあげている。
7.
2006年2月には、愛知県「人にやさしい街づくり賞」を受賞した。さらに、同年8月には、内閣府「第2回全国防災まちづくりフォーラム」において最優秀賞等を受賞した。
8.
2006年度「オールアイシンNPO活動応援基金」に選ばれた。この基金を利用して、コンクリート壁面内の鉄筋や電気、水道配管の検知機導入や、専門的な電動工具の整備を行った。
9.
「かぐてんぼう隊リーダー養成」を行い、施工前の現地調査や諸官庁への届出方法などの研修を行った。2007年2月に守山区市営住宅を対象とした施工キャンペーンで実地研修を行った。
10.
2006年度からは、同様の積極的な取組みを開始した徳島市のNPO法人に対する活動支援を行っている。