水道水で作った特別なレタス、お世話になった人たちに

東日本大震災(平成23年3月)

水道水で作った特別なレタス、お世話になった人たちに

(名取市 60代 女性 農家)

水道水で作った特別なレタス、お世話になった人たちにのイラスト

パイプハウスとかで作っている野菜は井戸の水を汲んで使うのだけれど、津波のせいで井戸水が塩水になってしまいました。2年半たった今もダメです。田んぼの方は雨水のおかげで地面の塩がだいぶ抜けてきているけれど。

震災後、井戸水の代わりに水道水で野菜を作ることになり、今までブロッコリーやレタスとか5品目作っていたところを3品目がやっとになりました。自分で手を抜いたわけじゃないんだけれど、抜かざるを得ない状態になってしまったのです。

いろいろ支援をもらってやっているんですが、ハウス栽培は一回やめてしまうと元に戻すのが大変。自分たちも2年半の間に歳をとって体力が落ちてきていますから、土地が使えるようになっても、今度は体やペースが元に戻らなくなってしまう。生産意欲を呼び戻すまでには時間が必要だなと感じています。気はあせっているんですけれどね。

水道水で野菜を収穫したら、ものすごい金額の請求がきました。水道水をかけて作った特別なレタスが初めてできた時は、支援してくれた人に渡しました。「売ってお金にした方がいいんじゃないの」と言われたけど、お世話になった人たちに食べてもらいたかったのです。

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