旅館での避難者名簿が家族の再会に一役

東日本大震災(平成23年3月)

旅館での避難者名簿が家族の再会に一役

新地町 60代 女性 旅館経営

旅館での避難者名簿が家族の再会に一役のイラスト
インタビュー日:2012年9月19日

私が経営する旅館は高台にあるため、地震直後から次々に避難者が押し寄せてきました。ガス・電気・水道が幸いにも無事だったので、2日間はとにかく避難者の受け入れと食事の確保に必死でした。

避難者の名簿づくりを始めたのは地震2日後の3月13日。「うちの娘来てない?」「おじちゃん、いないかしら」と、次々に家族を探す人が現れたのを見て、「これはいけない」と名簿づくりを始めたのです。お名前や住所を書いていただくと、意外にも遠方からの避難者も多いことがわかりました。記入してくださったのは13日だけで60〜70人。11、12日はもっといたかもしれません。出張で福島を訪れ帰れなくなったサラリーマングループ、旅行で来ていた御夫婦などもいました。名簿にあったお名前をある避難所で叫んでみたら、その方のおばあちゃんが「はーい」と手を挙げてくれたときはうれしかった。この名簿によってたくさんの人たちの所在がわかり、家族の再会に結びついたこともありました。

地震直後の情報のない中で、離ればなれになってしまった御家族の心中を察すれば、もっと早く名簿を作ればよかったと思います。そこまで思いが至らなかったことを、お客様の命を預かるホテルの経営者として反省しています。これから、緊急マニュアルに名簿作成の一項を加えていきます。

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