東日本大震災(平成23年3月)
カツオの時期に再開するぞ! 無我夢中の3か月
気仙沼市 40代 男性 漁協職員
インタビュー日:2012年9月22日
私が勤める事務所は、たまたま1年前に老朽化と耐震補強をしなければということで移転をしていました。そのため、被害も少なく翌月の4月6日には一部を再開できたのです。ただ電気が使えなかったので、電気の使えるところに必要最小限のものを持って引っ越しをして事務処理を行いました。
壊滅的な状況の中でも、だれかが音頭をとって、次へのステップを踏み出さなければなりません。それを全員で「カツオの時期には再開するぞ!」と決めたのです。こうした目標があればこそ、皆で一致団結できる。無我夢中で頑張れたのも、目標があったからなのです。
日々の労力はかかりますが、今後のことを考えてすべてを高台に上げ、被害が少ない施設にしようとしました。しかし、魚を加工するとなると冷凍庫が必要になるし、トラックなどの置場の問題も出てきます。更に、人の流出で働き手がいなくなってしまいました。震災前は水産にかかわる人が7割いたのが、今は復興に関する仕事に雇用の場が移ってしまいました。また、親が若い世代には危険な目に遭わせたくないという考えで、若者が都会に出たまま戻ってこないという状況もできてしまいました。今後の復興を通して、若い人たちが働きたくなる安全な施設を作っていかなくてはならないと思っています。
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