東日本大震災(平成23年3月)
盛岡や宮古でも感じた温度差 ~飲み屋の津波の話も人ごと風で腹立つ~
宮古市 50代 男性 消防団員
インタビュー日:2012年9月9日
地震から10日後、仕事で盛岡に行かなきゃならなかったのですが、やっぱりギャップがすごい。こっちでこういうことがあったのに、盛岡はもう普通の生活ですよね。何か、そのギャップで頭の中が、混乱するんです。夜の食事を仲間と居酒屋さんみたいなところで食べたりしたんですが、ほかのお客さんたちが津波の話をしているんです。けれども、もう人ごとの話なんで、聞いていると最後には腹立ってきましたね。こっちはめためたに何もなくなっているんだって。
宮古市内でも、駅を挟んで全然対照的で、市の中心部に行ったときも、ちょっとギャップを感じましたね。市内でも、早期復旧できる人たちは、全然ニュアンスが違いますっけね。
「いつまでも被災者って思わないほうがいい」って、被災者が言うんだったらわかるんですよ。でも、家が残っている人とか、被災していない人が、「おまえら、いつまでも被災者じゃねえんだから、人に頼るのはやめたほうがいい」って。言葉はもっと緩やかなんですが、それを聞いたとき、「おまえがそれ言うかよ」って思ったときがありましたね。
自分らも、いつまでも負け犬だったり、そんな気持ちは毛頭ないし、ましてや敗者、負けたという気持ちもないんだけども、ただ、ああいう言葉遣いは、よっぽど気つけなきゃいけないなと思いましたね。
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