揺れた瞬間、「津波は30分後」と推測~役場に戻って10分で津波~

東日本大震災(平成23年3月)

揺れた瞬間、「津波は30分後」と推測~役場に戻って10分で津波~

宮古市 40代 男性 市役所職員

揺れた瞬間、「津波は30分後」と推測~役場に戻って10分で津波~のイラスト
インタビュー日:2012年9月10日

10年近く役所で防災の仕事をしていましたので、感覚的にどこからきた地震で、マグニチュードがどれくらい、これは津波警報が出そうだとか、そういうのがわかるんです。

3月11日は、外にいて、緊急地震速報が鳴って揺れて、「あ、宮城県方向だな、この揺れは変だ」と思い、すぐに職場があった田老(たろう)地区の総合庁舎に引き返しました。

車線の真中をどっちにでも行けるような状態で走りながら、「100メートルくらい通り抜ければ、後は渋滞はない」ということも考えていました。その途中、家族が全員避難できたことと、職場の全員がどこにいるかをメールで把握していました。

揺れた瞬間から時計を見ていて「30分後に津波が来る」と予測したのですが、田老の総合庁舎に20分で戻って、その10分後に津波が来たのです。ぴったりでした。ただ、ラジオで言っていた宮城県方向からの津波ではなく、真正面から来た津波だと直感的に感じました。

で、たった5分間で終わったんです。

津波が鎮まった直後に周りの人に「防災無線聞こえたか」と聞きました。自分の耳に残っていなかったので。後から映像を見たら、ちゃんと音が入っていましたから、鳴ったのは確かですが、私の記憶にない。周りの人たちもそうでした。目の前に津波が迫っていたんで、自分たちが集中していたのは津波のこと。周りの音は耳にはいらない状態になるということがわかりました。

津波が来る直前までは、いろんな情報を仕入れようとしていたので、周りのことも鮮明に覚えています。言葉も全部覚えています。でも、津波が着た瞬間からは、もう津波しか覚えていない。周りのことは分からないですね。人間て、そういうふうになるんですね。

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