東日本大震災(平成23年3月)
市庁舎と離れた自衛隊拠点で調整~決定権ないのに「決めるしかない」~
宮古市 40代 男性 市役所職員
インタビュー日:2012年9月10日
市役所が被災していたので、応援の自衛隊が消防署を本部だと思ったのか、そこに拠点を置いていたので、私が市の災害対策本部との連絡・調整を担当させられることになりました。
市役所では、朝8時ごろからと、夕方の16時頃から本部会議をしているので、自衛隊はその後、宮古消防署に戻って、22時、23時まで会議をやるんです。そうすると、自衛隊の会議で決まったことを「これをどうしましょう」と私に聞かれるのです。市役所側の部長や課長級の意思決定者がいないため、判断されないままで自衛隊は動けないという状態が何日か続きました。
部長の携帯に電話して「こうやっていいですか」とか聞いたりしましたが、時間がないこともある。「家が道路に流れてきているんですけれども、ここを壊さないと次に行けないので、壊していいですか」と聞かれ、いいとも言えず、悪いとも言えない。でも、「その先に人がいます」と言われれば、じゃあ壊してくださいと言うしかない。「じゃあ、お名前をお願いします」、「○○課の××です」、「では、○○課の××さんの指示ですね」と自衛隊に言われるわけです。
決定権がないのに「決めるしかない」状況で、いや、これはまずいよな、首になるかもと何回も思いました。
自衛隊さんは組織なので、「とりあえずお願いします」では動けなくて、こっちが明確に決めなきゃならない。最初、市役所では炊き出しの関係とか、あまりお願いしなかったんです。2日間かけて、ここに何食で何日にとか、きっちりすり合わせし、いざ決まれば、すごい早さでしたね。
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