東日本大震災(平成23年3月)
ワンセグや災害優先携帯もバッテリーが命
宮古市 50代 男性 鉄道会社職員
インタビュー日:2012年9月10日
かなり強い揺れが5分以上続いたので、これは津波だなというのは頭にありました。宮古市にある三陸鉄道の本社2階から、まちの様子を見ていると、何か水がこっちへ来ているなと。水がどーっと来るなら、すぐに津波だとわかったんですが、少しずつ水が上がってくる感じで、揺れで水道管でも壊れたかなと最初は思いました。そのうちに、ごみがぷかぷか浮かんで来るし、最後には車が来たんで、津波だと。想定ではここまで来ないはずだったのですが、まちの方からは、みんな走って逃げてくるので、うちも危ないからと、立体交差の道路の上に避難しました。
停電していたので、取り出してきたラジオを抱えて持って行って聞いていると、どんどん被害が拡大している。社員が持っていたワンセグでテレビを受信できたので見ていると、海岸沿いはとんでもないことになっているというのが、少しずつわかってきました。
津波が収まってどんどん引いてったので、夕方こっちへ戻ってきました。でも、ここは、停電でテレビが全くだめだったんで、東京の人より状況がわからなかったかもしれないですね。携帯電話のワンセグを使うと、バッテリーの消耗が早いんで、切れたらどこで充電するんだってことで、ワンセグも頻繁に使いたくなかったのです。
その中で、地震1年前、新社長の方針で、災害時優先携帯電話を幹部社員らに持たせていたので、地震直後の連絡には大いに役立ちました。でも、通信用アンテナのバッテリーがなくなったためか、2,3日で通じなくなり、県の振興局にある衛星携帯を順番待ちして使わせてもらいました。大規模災害時は、バッテリーが命であると思い知らされました。
thh25002