東日本大震災(平成23年3月)
列車に緊急停止指示~鉄道電話は津波で切れたが「あの場所なら大丈夫」~
宮古市 50代 男性 鉄道会社職員
インタビュー日:2012年9月10日
地震が起きた時に、私は宮古駅に隣接している三陸鉄道の本社にいました。緊急地震速報がばーっと一斉に鳴り「あれ?また3日前にあったようなでっかいのが来るのかな」と身構えていたらば、ものすごい地震が来て、ずーっと揺れがとにかくおさまらない。おさまってきたかなと思うと、また揺れてくるような感じで。かなり強い揺れが、もう5分以上続いたので、もう、あ、これは津波が来るなと、その時点で頭にありました。
沿線の2か所に地震計があって、基準を超える揺れがあれば、とにかく列車を止め、施設関係者が線路を点検した上でないと動かすなということになっています。南リアス線の方は、大船渡の指令センターと連絡が取れ、列車が長いトンネル内に入って止まっていることが分かりました。その場所は標高も高くて、トンネルならまず中が崩れることはないので「とにかく動かすな」と指示しました。
北リアス線でも、列車がいる場所は分かっていましたので、久慈の指令センターが津波で避難指示が出ていなくなる時も、「とにかく列車はそのまま停めておいて、とにかく後で救助に行かせる」ということにしました。
津波が来るまでは、何とか連絡がとれたんです。津波が来た後、ケーブルとか回線も切れたんで、鉄道電話も当然使えなくなりましたが、「あの場所だったら大丈夫だ」っていうのがありました。
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