「無我夢中で運んだ仮設トイレ」

東日本大震災(平成23年3月)

無我夢中で運んだ仮設トイレ
~もし妻や子どもがいたら?~

(仙台市若林区 20代 男性 会社員)

勤務している会社が、仮設トイレなどをリースする業務を行っていたこともあり、震災直後から、避難施設などにトイレを配送する仕事に追われていました。

トイレを保管しているセンターは山間部にあり、それをトラックに積んで指定の避難施設まで運ぶのですが、限られた燃料の中でいかに効率良く運ぶか、速やかに届けることができるか、それだけを考えていました。

途中の道路ではアスファルトが割れていたり、マンホール部分が盛り上がっていたりと危険な箇所も多々あり、本当に無我夢中でハンドルを握っていたことを思い出します。

センターでは男性社員3名がカンヅメ状態となり、自分の家族の安否確認やケアよりも避難先施設への支援を優先させていきました。

私自身、まだ独身なので、両親の無事を確認した段階で脇目も振らず仕事に専念していましたが"もし妻や子どもがいたら?"と、いまになって考えることがあります。

それでも"トイレがきて本当に助かりました"という声を聞くたび、未曾有の震災という非常時に、みなさんの役に立つことができてよかったと思っています。

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