「被災地の神経逆なで、カメラマン」

平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震(平成20年6月)

被災地の神経逆なで、カメラマン

(栗原市 40代 女性 建築士)

当時、すごい数の報道陣がやって来ました。そして、私たちが応急危険度判定※に行ったら、「ニュースで流したいので、あいさつから始めてください」なんて言われました。それどころじゃないのに、判定の赤い紙を張ろうとすると、「あ、ちょっとお待ちください」、「じゃあ、張ってください」って、ニュースをその場で作らされているみたいでした。

それから、山崩れがあった地区に入ったばっかりの時は、カメラを持った人が歩いていて、「つぶれた家、ないですか」って聞くんですよ。「斜めになっている家はあるけど、つぶれた家はないです」と答えると、何か写真撮れないかなみたいな態度で、「どうしてつぶれないの?」って聞かれました。で、「やっぱり建物ががっちりしているんじゃないんですか」って言ったのです。

神戸の時みたいに、グチャっとつぶれた家の衝撃的な写真が撮れないものかと、一生懸命探しているようで嫌な感じでした。報道の人たちも、ちょっとは被災地の人の気持ちもわかってほしいなと思います。

※応急危険度判定とは、被災した建物を調査して、余震などによる倒壊の危険性や外壁・窓ガラスの落下、付属設備の転倒などの危険性を判定すること。

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