平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震(平成20年6月)
経験活かして事前準備
~すぐに役立った応急危険度判定用紙~
(栗原市 40代 男性 建築士)
役所の人たちも今までの経験から、地震の時には何をしなきゃいけないかというのがけっこうわかってきているんですね。
今回、被災した建物を調査して、余震などによる倒壊の危険性や外壁・窓ガラスの落下、付属設備の転倒などの危険性を判定する『応急危険度判定』のお手伝いをしたのですが、行政の方で、判定に使う緑と黄色と赤の紙をあらかじめ何枚も印刷して段ボールに詰めていたのです。
「地震なんてほんとうに来るかどうかわからない。そんなのは無駄な経費だ」と言った職員もいたということですが、担当課の人は、「これだけは用意しておいたほうがいいんだ」と言って、ゆずらなかったそうです。
結果的に、どこよりも早くとりかかることができたと評判になりました。その担当者に「動きが速かったですね」と言ったら、「経験者ですから」って笑っておられました。やっぱり事前の備えは大切だなと思いました。