「判子と通帳もってきて」

平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震(平成20年6月)

判子と通帳もってきて
~何度もヘリで貴重品をとりに家へ戻る~

(栗原市 50代 男性)

余震が起こって危険だから、山から全員下りなくちゃならないと言われたときは、目の前が真っ暗になりましたね。「これから先、どうなるんだろう」っていう、地震と同じぐらいの衝撃でした。「とりあえず家に1回戻って、貴重品だけ持ってヘリに乗るように」という指示でしたが、家の中はもうメチャメチャですから、持っていくべきものが見つかりませんでした。

その後も何回かヘリコプターで物をとりに行かせてもらいました。靴を履いたまま家に入って物を持ってくるわけですが、時間制限があって大変なんですよ。「何時までに、必ず来なかったらヘリは飛びます」って言われてね。おいていかれたらという恐怖のほうがありました。

それから、ヘリは人数に限りがあるので、乗れない人に頼まれて物をとりに行ったこともあります。家の略図をかいてもらって、「玄関があって、ここにタンスがあって、タンスの引き出しの3つ目の真ん中に判子と通帳があるから、もってきてくれ」というわけですが、タンスも何もひっくり返っていて、図面どおりにないのには困りました。

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