「家の修理は保険で足りず」

宮城県北部を震源とする地震(平成15年7月)

家の修理は保険で足りず
~孫に借金申し訳なく~

(東松島市 70代 女性)

建てかえはしなかったから、莫大な費用がかかったとは言えませんが、家の補修にだいぶんお金がかかりました。「うちがつぶれるときは、世の中みんなつぶれる」なんて、うちのだんなも言っていたぐらい、頑強な平屋の建物だったので、建物そのものはだいじょうぶでしたが、土壁だったので壁が落ちてしまいました。それから、あれだけの揺れでもかわらはほとんど落ちませんでしたが、鬼がわら が落っこち、屋根も曲がりました。

まだ壁にヒビが入ったままのところも残っていて、全部直したわけではありませんが、地震保険で下りたお金やお見舞い金などでは足りず、お金を借りました。

私も歳ですし、息子だってもう60近くて融資を受けるのが難しかったので、孫の名義で融資をしてもらいました。だから、その後で孫がお嫁さんをもらいましたが、今は農家の長男でもみんな別居するのに、うちでは孫の名義でお金を借りているからそれもできないんです。で、孫に「お兄ちゃん、ごめんな」って私がいったら、「いいよ、おれはどこにも行かないから」って言ってくれました。ほんとうに申し訳ない気持ちでいっぱいなんです。

※鬼がわらとは、屋根の棟の両端におく大きなかわらのこと。多くは鬼の面をかたどり、魔よけとしています。

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