「一瞬、高速道路の崩落を覚悟」

東日本大震災(平成23年3月)

一瞬、高速道路の崩落を覚悟
~どうにかバスを停車させた場所は、橋の繋ぎ目だった~

(焼津市 30代 男性 観光バス運転手)

震災当日は、バス3台で成田空港から静岡市内の高校まで、修学旅行の迎えの乗務に就いていました。震災の時刻は、修学旅行の学生さんたちが、まさに乗車している時。高速道路の料金所を出たところで大きく揺れ、どうにかバスを停車させた場所は橋の繋ぎ目。一瞬、橋が崩れるのを覚悟しました。

羽田空港付近まで進むことができましたが、途中で2回目の大きな揺れに遭遇。高速を降りて、その先は一般道を進むことになりました。しかし幹線道路は渋滞で全く動きません。おまけに日が暮れるにつれ、停電のため信号機や街灯が消えて、いっそう混乱をきたす状況に。

結局、川崎から横浜の中心部まで、約5時間。その先は東名高速が富士まで通行止めが解除になったとの情報があり、インターチェンジまで約3時間かけようやく高速に合流。しかしその先が大津波警報のため、東名も国道もすべて通行止め。「これは、お手上げ」となり、途中のサービスエリアで夜を明かすことになりました。

翌日は新幹線が始発から運転再開され、お客様を三島駅で新幹線に乗せ、静岡に戻すことができました。しかし私を含む3台のバスは、何とかして会社に戻らなければなりません。「行けば通行止め」「行けば通行止め」の繰り返しの中、結局静岡に着いたのは、地震発生から約27時間後の午後6時半でした。

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