「「休んだら歩けなくなる」との恐怖で、ひたすら歩く」

東日本大震災(平成23年3月)

「休んだら歩けなくなる」との恐怖で、ひたすら歩く

(千葉市 50代 男性 会社員)

東京の会社で地震に遭い、自宅は千葉。距離にしておよそ60キロ。夕方5時30分に会社を出て、京葉道路を歩いて自宅に向かいました。歩道は歩いて帰る人でいっぱい。中にはハイキング気分で歩道いっぱいに広がって、話しながら歩いている人もいました。私は携帯ラジオを聴きながら、ただ黙々と歩いていました。

途中にある自転車屋さんは、どこもお客さんでいっぱい。日も暮れ、市川あたりで懐中電灯を購入しました。歩きながら「どこで休憩しようか」と思い続けていましたが、「休んだら歩けなくなる」という思いもあり、とにかく歩き続けました。

西船橋駅近辺まで来たのが午後9時位。幕張の辺りでファーストフードのお店を見つけ、ようやく休憩をとったのが、深夜0時半頃。そして深夜3時半まで休憩し、「今から歩けば、途中で明るくなる」と、再び歩き始めましたが、体が冷えてしまうと駄目ですね、すぐに歩くペースがダウン。「どうしようか」と悩んでいた時、国道の上りが全く動いていないためユーターンして来たタクシーを捕まえる事ができました。結局家に着いたのは深夜4時30分頃。

「会社にそのままいても良かったのかもしれないな」と後で考えましたが、その時は「とにかく家族の安否が知りたい」と思い、家に帰ることしか考えていませんでした。

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