「行き場を失った旅客機」

東日本大震災(平成23年3月)

行き場を失った旅客機
~ジェット燃料がなくなるまでがタイムリミット~

(東京都大田区 40代 男性 空港ビル勤務)

空港ターミナル内にいらっしゃるお客様への対応は重要ですが、私たちには更に優先すべき事項がありました。それは、東北方面へとフライトしたものの、行き先を失って上空を旋回している旅客機への着陸先の誘導です。

夜8時の段階で、上空にはまだ10機ほどの飛行機が待機していました。ジェット燃料がなくなってしまったら墜落してしまいます。国土交通省と連絡を取り合い、敷地内の面積も計算して、最大限の飛行機と乗客を受け入れることに集中しました。

なんとか飛行機の着陸問題が解決すると、それからは空港内に滞留されるお客様への一晩中の対応となりました。空港内の休憩室はもちろん、椅子やベンチも人でいっぱいです。お年寄りや、体調が悪いかたは、床で寝転んでいる人もたくさんいたのです。もちろん皆様には、毛布や段ボールを支給させていただきました。

なかでも印象に残っているのは、耳の不自由なお客様です。ホテルで休みたいとのことで、知りうる限りすべてのホテルに電話しましたが、どこも空いていません。結局、ターミナルで一夜を明かすことになってしまいました。

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内閣府政策統括官(防災担当)

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