東日本大震災(平成23年3月)
携帯電話での緊急連絡システムを構築
~公衆電話が使えない学生も~
(東京都豊島区 50代 男性 大学職員)
当大学には、2010年4月にスタートした携帯電話を利用した緊急連絡システムがあります。東京で震度5強以上の地震が発生すると、学生・教職員の携帯電話に安否確認のメールが自動送信されるというもので、学生の約8割が登録しています。
今回の震災では、被災地出身の学生のなかで安否の返事が来ない数百人に、手分けをして個別に連絡を取りました。結果、全員無事でした。立ち上げたばかりのシステムでしたが、非常時に備えることの大切さを実感しました。
携帯電話の有用性が確認できたのと同時に、今回の震災では携帯世代の弱点も見えました。携帯電話が通じづらくなっていたことで、校内にある数台の公衆電話の前には行列ができていたのですが、驚いたことに、学生を含めた若い避難者の人たちのなかには、公衆電話の使い方が分からない人がいたのです。都内にかけるのに最初に03が必要かどうか、受話器を取ってからプッシュホンを押すのか?若い世代には携帯電話しか使ったことがない人もいたのです。