「思い浮かばなかったSOS」

平成17年台風第14号(平成17年9月)

思い浮かばなかったSOS

(杉並区 70代 女性)

自分の家が被害にあったんだから自分で処理しなくちゃって思っていて、行政に連絡したり、近所の人に助けを求めたりすることは全く思いもよりませんでした。

とにかく地下室の水を汲み出さなければと、どしゃ降りの中、バケツを2つ持って、離れたよその家の角っこの雨水マスまで水を捨てに行くんです。それでまた、空っぽになって帰ってきたら、入ってきているほうが多い。焼け石に水なわけです。

それがバカだったってことに後で気がつきました。突然のことでビックリしちゃって、冷静に考えられなかったのです。

たまたま電話がかかってきたので、うちが浸水していると言ったら、その後すぐに、区役所の人が土のう を持ってきてくれたり、薬局で消毒薬を無料でもらえるように手配してくれたり、どんどん手を打ってくれました。

後になって、「何で早く行政に知らせなかったんですか」って怒られてしまいました。自分のことは自分でということも大切ですけど、自分でできないことだっていっぱいあります。声をかければ近所のみんなもきっと嫌な顔しないで来てくれたと思いますね。

※土のうとは、布袋の中に土砂を詰めて用いる土木資材のこと。適宜、土砂を詰め、袋を縛り積み上げることで、水や土砂の移動を妨げることができることから、堤防の水止めなどに使われます。

所在地 〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1 電話番号 03-5253-2111(大代表)
内閣府政策統括官(防災担当)

Copyright 2017 Disaster Management, Cabinet Office.