平成17年台風第14号(平成17年9月)
お年寄の「ありがとう」に疲れ吹き飛ぶ
(杉並区 60代 男性 消防団員)
上流の現場に向かって護岸を歩いているとき、電気がこうこうとついている家がありました。中を見ると、80歳は超えていると思われるお年寄りが二人でソファーに座っているんです。
体調が思わしくないのか、足腰が弱いのかと心配になって、「大丈夫ですよ、雨もやんでいますし、もう水も引き始めていますよ」と声をかけると、「表はどうですか」というので、「水が出ているところもありますけど、大事には至らないようですよ」と答えました。
帰りにもう一度その家の前を通ったら、「先ほどはありがとうございました」と声をかけられました。きっと、二人きりで心細かったんだと思います。
私は、そのありがとうの言葉ひとつで、疲れが一気に吹き飛んだような気がしました。