阪神・淡路大震災(平成7年1月)
パジャマに作業着で部下出勤
~思わず注意し、被災度の違い知る~
(神戸市 60代 男性 元市職員)
当時、役所の職員は、自分の家がつぶれたとかいうようなことは、あまり言わなかったですね。市民が大変な状況でしたので、自分のことなど言い出せなかったのだと思います。
ある日、部下の職員がパジャマの上に作業着を着て、長靴をはいてずっと役所に泊まっていることに気づき、「おまえ、家に帰れや」言うたんです。
すると、「実は、家がつぶれてしまって」という返事。「お母さんを親類に預けて、パジャマのまま役所に出てきました。だから、帰るところがないんです」ということでね。
地震後すでに1週間ぐらい経ったころでしたね。私の家はかろうじて倒れなかったものですから、冬の時期に、パジャマに作業着ではさぞかし寒かったろうと思いますが、すぐには気づいてあげられませんでした。