阪神・淡路大震災(平成7年1月)
出勤か、救助か、悩む
~誰かがジャッキ、12人助ける~
(神戸市 60代 男性 元市職員)
私の家はつぶれなかったけれども、周りはほとんどつぶれました。立場を考え、出勤すべきか迷ったあげく、その日は夜まで救助活動を続け、12人助けました。
家の下敷きになった人を助けたのですが。その助け方が難しいんですよ。上からいったら人の重みがかかって危険なので、下からもぐり込んで助けるんです。木造の建物などは、梁にジャッキをかませたりしてね。
最初、大きなジャッキでやろうとしたけど、重たくて扱えない。そのうち、近所の誰かが小さいジャッキを持ってきてくれたので、それを使って、ちょっとずつ持ち上げていきました。車のジャッキも使いましたが安定が悪くて、案外使いづらかったんです。
で、頭が入るぐらいの大きさまでになったら、そこからもぐっていくのですが、余震があるから、これがかなり恐いんです。私は田舎の百姓の育ちだったから、できたけど、町の人には難しいやろうね。