「閉じ込められた愛犬に救いの手」

阪神・淡路大震災(平成7年1月)

閉じ込められた愛犬に救いの手

(淡路市 60代 女性)

地震が起きて3日目までは、私はちょっとおかしかったみたいです。後から聞いた話ですが、みんなが話しかけても、「家が、家が」と言いながらで、犬のことばかり心配していたそうです。

愛犬のナナは、将棋台のおかげで助かりました。けれど、くくられているから出てこられなかったのです。鳴き声が聞こえたような気がして、気になっていたのだけれど、死んどったらかわいそうやし、けがしていたらかわいそうやと思って、見に行くことができないままでいました。

2日後に見に行ったら、新聞社の人が、すきまからトイを差し込んで、それにえさを流し込んでくれていました。若いお兄ちゃんで、「これ、おばちゃんとこの犬か?」と言うから、「そうです」と。

「これが鳴きよるけど、よう助けられんねん。鎖がついとるから」と言ってね、水とえさをやってくれていました。有り難かったです。

3日目、勤めていた保育園から職員が迎えに来て、職場に行ったら変だった調子がパッと戻って、園児たちの安否と送迎方法の確認などをこなせました。

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