「妻が家具の下敷き」

阪神・淡路大震災(平成7年1月)

妻が家具の下敷き
~「あんたが上に乗ってたん?」の冗談でほっと~

(淡路市 50代 男性)

前の日は普通どおり商売して、午前2時ぐらいに寝たんかな。で、小さく揺れかけたような気がして目が覚めて、「地震や」言うて、布団の上に座ったとたん、ミシミシ、バリバリ言い出したから、「これはもうあかんで」と思ったとたん、タンスが全部倒れてきました。

女房に、「どないや」と声をかけたら、タンスの下から「大丈夫」と言う返事。「ほな、じっとしとけよ。おふくろ見てくるさかい」と言って、家を飛び出しました。

おふくろは、「お参りして、今、帰ってきたとこや」と言いながら、仏壇の前で一生懸命拝んでいるところでした。その日に限って早く帰ってきたということでしたが、もし、帰る途中に地震に遭っていたら、家々が倒れてきたので大変なことになっていたと思います。

おふくろの無事を確認できたので、すぐに家に引き返しました。なんだか痛いなと思ったら、頭から血が出ていました。手もはれていましたが、どこでどうしたのかはまったく分かりませんでした。

部屋に戻って、重たいタンスをやっとの思いで動かして、下敷きになっていた女房を引っ張り出しました。「どうもないか?」と声をかけたら、「どうもないわ。あんたが上に乗ってたのかと思っとった」と冗談言ってくれたので、ホッとしました。

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