「地震で起業に失敗」

阪神・淡路大震災(平成7年1月)

地震で起業に失敗
~めげなかったお父さん~

(神戸市 20代 女性 学生)

お父さんは、私が気づいたときには、庭師の仕事をしていて、10年ぐらい前に独立し、今に至っています。仕事に誇りを持って働いていて、そういうお父さんを、私は尊敬しています。

小学校の時に家族にインタビューする宿題があって、お父さんに仕事のことを聞いたんです。私はお父さんが好きやったから、きっとかっこいい理由があるんやろと思って聞いたら、お父さんは「自由に生きているバカボンのパパみたいになりたかったんや。だから庭師になったんや」と言われて、ショックを受けたことを覚えています。

高校に入ってから、お父さんは地震で失業して庭師になったことを知りました。新しい事業をしようとしていた矢先に地震が起き、地震の1週間前に200万円払って建物を借りていたのに建物が使えなくなって、そのお金も返ってこなかったそうです。事業を始めるまでのつなぎのバイトもお店が閉店になり、それから、タクシーの運転手をしたり、道路にある木を刈る仕事をしたりしたそうです。

地震で失業した人がいたことは知っていましたが、まさかお父さんがそうだったとは知らなかったので驚きました。そう言えば、地震のあとスーツを着て仕事に出かける父の姿が、いつの間にか作業着にかわっていたのを思いだしました。

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