「お父さんになったみたいに頼もしかったお母さん」

阪神・淡路大震災(平成7年1月)

お父さんになったみたいに頼もしかったお母さん

(神戸市 20代 女性 学生)

たまたまその日は、お父さんが朝早く出かけていて、5歳だった私はお母さんと弟と川の字になって寝ていました。あの地震が起きた後にいつも弟が寝ているベビーベッドを見てみると、まわりに置いてあったものが全部ベッドの中に落ちていて、もしそこで寝ていたら、弟の命はなかったかもしれません。

お父さんがいない中で私や弟を助けてくれたのがお母さんで、地震が起きた瞬間は、私たちの上に乗ってからだで守ってくれました。危ないから外に出ようということになって、2階から階段を下りようとしたんやけど、真っ暗なのでお母さんが懐中電灯を探しに部屋に戻ったんですが、電池が入っていないものしか見つからなくて。心細いから私も一緒についていこうとしたら、「危ないから入ってきたらあかん」と、すごく怒られた。そのときのお母さんの姿は、何て言うんやろ、お母さんとお父さんが一緒になったみたいで、頼もしく感じました。

近くに住むお母さんのお兄ちゃんが、地震が起きて10分後ぐらいに助けに来てくれました。そのときのお母さんの顔は、すごくやわらいだというか、「やっと助けに来てくれたのね」と言っているような表情だったのをはっきり覚えています。

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