「農協のバスで勧告地域内のハウス通いで苗守る」

平成12年(2000年)有珠山噴火(平成12年3月)

農協のバスで勧告地域内のハウス通いで苗守る

(伊達市 60代 男性)

われわれ農家は、翌日の昼には帰ってくるつもりで、家を出たのですが、すぐには帰れないということになって、あわてました。で、私は農家を束ねる立場にいましたので、農協に行って、何とか換気と苗の手当てにだけでもと頼みこんで、警察の監視の下、農協のバスで、朝と夜の2回、換気と保温のために入れるようにしてもらいました。

私たちの地区は10人までと決められていましたから、その10人が手分けをして20戸以上の農家のハウスを、朝は開ける、夜は閉めるという作業をしていました。一番いい時期に出荷するためには今苗を育てておかなければと、みんな焦っていたんですよね。

ところが、噴火後に有珠山の頂上に亀裂が見つかり、立ち入りは一切ダメということになって、1週間以上も放置した苗は、結局はほとんど使いものにならなくなりました。

仕方なく、ほかの地区のハウスを借りて種をまき、苗を育てて、どうにか出荷時期に間に合わせることができましたが、農家にとって、時期によっては、1日、2日が勝負ということもあり、それを逃したら1年間、取り返しがつかないこともあります。だからその辺をどう考えるのかが、今後の課題ですね。

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