平成12年(2000年)有珠山噴火(平成12年3月)
介護保険スタート前で全員の状態把握
~避難後もすぐに巡回診療~
(洞爺湖町 50代 男性)
最初は私も山頂から噴火すると思っていまして、「うちの病院のサーモグラフィーを山に向けて温度を測ろうか」なんて冗談も言っていたぐらい。気持ちの余裕はあったんです。
それでも、噴火の3日前ぐらいから下から突き上げるような地震を感じるようになり、携帯電話も通じない状況になってきたので、噴火の危険性が迫っていることは感じていました。けれど、お年寄りたちは大体が以前の噴火を経験しているので、慌てないんですよ。避難の話をしても、「まあ、ご飯食べてから考えるか」って。
そんな具合だからパニックにならずにすんだのかも知れませんが、結果的にそのまま帰れなくなってしまったわけで、もっと早めに準備しておけばよかったなと思いました。
ただ、その年の4月1日から介護保険が発足する予定でしたから、患者さん全員の名前と身体の状態をケアマネジャーの人たちが全部チェックしていたんですよ。そのおかげで、すぐに状況を把握できましたし、巡回診療にもつなげることができました。はからずも、介護保険の準備が役に立った感じでしたね。