「避難中も空き事務所で商売続ける」

平成12年(2000年)有珠山噴火(平成12年3月)

避難中も空き事務所で商売続ける
~一旦離れたお客は二度と戻ってこない~

(洞爺湖町 70代 女性)

うちの商品は乾物と冷凍食品です。冷凍庫が必要なのですが、一時電気がとまりましたでしょう。だからかなりの損失が出ました。それに、6月に元の場所に戻るまで手つかず状態でしたから、商品は賞味期限切れとなり、全部廃棄処分にしました。

自分たちは、昭和52年の噴火の時に、商売を始めたばかりで半年もしないうちに家を壊されて、何も営業ができなくて、ほんとうに長く苦しい時間を過ごしてきた経験がありますから、事業だけは絶対続けなきゃという信念で、すぐに商売を再開しました。

「もうあそこはだめだから、同じものだったら他から購入しよう」というところが出てきますからね。一旦そうなったら、二度とお客は戻ってきません。だから、冷蔵庫がない分、物をいっぱい集めて、注文をとったら配達して、帰ってきたらすぐまた次のところに走るということで、主人と息子は、積み上げた荷物の中に畳1枚敷いて、そこで寝泊まりをしていました。

避難している間に、事務所や倉庫を提供してくれた方々にはほんとうに感謝しています。それがなかったら、営業は続けられませんでしたからね。

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