「自主避難せずお年寄りと施設で日常」

平成12年(2000年)有珠山噴火(平成12年3月)

自主避難せずお年寄りと施設で日常

(壮瞥町 50代 男性)

うちの施設がある場所は、避難勧告エリアには入っていませんでしたが、「風が強かったら、山頂から半径6キロ以内にこぶし大の石が降る可能性がある」という情報を得てはいました。関係者の間で、さあ、うちの老人介護施設をどうするかといった時に、移動する危険や不安、エネルギーの消費を考えると、他の場所へ大移動するよりも、そこにとどまるほうがむしろ安全ではないかという結論に達しました。

なぜかというと、昭和52年の噴火当時、僕はまだ学生でしたが、施設がまともに噴火口のふもとにあったので、その晩のうちに避難をして、理事長だったおやじも職員の人たちも大変苦労していたのを見ていたからです。

避難生活というのは非常にハードで、お年寄りたちのストレスも当然ありますが、支える側の職員のストレスもすごいんですよ。だから、そういうことはなるべく回避したいと思ったのです。

ありがたいことに、当時、協力病院だったところからは、「いつでも受け入れますよ」、「移送の際は手伝いますよ」と早くに言っていただいて、いざとなったら、そういうこともできるという選択肢は持ちながら、「今の段階では避難しない」という判断をしたのです。

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