「指定避難所の間近で火口開く」

平成12年(2000年)有珠山噴火(平成12年3月)

指定避難所の間近で火口開く
~50キロ先の長万部まで転々と~

(洞爺湖町 70代 男性)

うちの地域は、昭和52年の噴火で土地や家をなくした人たちが洞爺湖温泉街から引っ越してきたところなのです。ですから、地震にはかなり敏感で、避難指示が出ていないうちから、20世帯ほどが自主的に避難していました。

自治会長だった私は、噴火が近づいていることを伝えながら、「指定されている避難場所はここですよ」、「避難するときには連絡をしてくださいね」と、1軒1軒声をかけて回りました。それから、地域の自治会長が集まった際に、避難所の毛布が足りないぞという話になったので、全部の家庭に毛布の提供をお願いして回りました。

その日は、5、6人で毛布集めをして、うちの玄関前に集めた毛布を積んでいきました。「昼休みをとってから続けましょう」ということにしていたのですが、午後1時ごろに噴火が始まり、そのまま避難するほかありませんでした。

避難所に指定されていた高校が火口間近で危険な地域にあったので、すぐに別の場所に避難することになり、さらに一旦落ち着いた小学校が春休みが終わって明け渡さなければならなくなったりで、いくつかの避難所を転々としました。まさか50キロも離れた長万部まで移動することになるとは、思ってもみませんでした。

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