「ひとりに畳1枚の支給に喜ぶ」

平成12年(2000年)有珠山噴火(平成12年3月)

ひとりに畳1枚の支給に喜ぶ
~避難先で郷里を案ずる毎日~

(伊達市 60代 男性)

避難勧告が出て、とりあえず親戚などに避難した人たちも、2、3日すると戻ってくるので、最終的には避難所も9ヶ所にまで増えました。私は自治会長を束ねる役目でもありましたので、避難所1ヶ所に1人ずつ責任者を置いて、その人たちの意見を集めては、行政と連絡を取り合っていました。

31日の午後1時ごろに噴火したと聞き、「これで家に帰れるぞ」と思ったのですが、まだ危険だということで、立ち入りも許されず、避難生活は16日間に及びました。自分たちの地区がどのような状態かが気がかりで、自衛隊が空から撮った映像をテレビで食い入るように見つめていましたが、虫眼鏡で見ないとわからないほど小さくて、はっきりしないのです。空き家にしているから不安でね。もっと情報が欲しいと切に思いました。 

唯一喜んだのは、3日目に自衛隊が厚さ3センチくらいの畳を運んできてくれて、1人に対して1枚ずつ交付されたことです。あれにはみんな喜びましたね。それまで板間に毛布1枚か2枚で寝ていたわけで、肌触りだって違うし、やっぱり日本人は畳に愛着がありますから、畳に寝られるということだけで感動しました。

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内閣府政策統括官(防災担当)

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