平成12年(2000年)有珠山噴火(平成12年3月)
「もう帰って来られないかも」
~「7分の7」の確率知り~
(壮瞥町 50代 男性)
有感地震ですよね。夜中にカタカタという音で、数回目が覚めました。翌朝になって、うちのカミさんと子どもたちは全然気がつかなかったというんだけれど、私のおやじとおふくろは昭和52年の噴火を経験しているからか、「多分、噴火につながるよ」というような話をしていました。有感地震ですぐに噴火を意識したところが、経験していない人との違いなのだろうと思います。
翌々日、役場の大講堂で、北海道大学の岡田先生の会見がありました。どこかの記者が「噴火の確率は?」って聞いたら、「7分の7」って。もう即答でしたね。それは、ほぼ100%の確率で噴火するという意味で驚きましたが、この山はわかりやすい性格なんだなと変に納得しました。
家族離散というと大げさですけれども、おやじ、おふくろは親戚のうち、カミさんは子どもを連れて実家に避難するし、僕は勤め先の施設に残りました。有珠山を眺めながら、「もう帰って来られないかも」と達観している自分がいました。