平成22年梅雨前線による大雨災害(平成22年7月)
床張りから壁のペンキ塗りまで全部自分たちで
~被災を機に新しい店で再出発~
(山陽小野田市 60代 女性 菓子店経営)
店のドアをおそるおそる開けると、床には一面に汚泥が積もっていて、壁に残された水のラインから、20センチぐらい浸水したことが分かりました。
しばらくボーッと見ていたけれど、「とにかくお掃除しなくちゃ」と気を取り直しました。 近所の魚屋さんの奥さんがデッキブラシを持ってきてくださって、何人かが泥の掻き出しを手伝ってくれました。店の中の物は全部捨てました。
真夏で暑いときでしたから、生のお菓子を扱うことをこれ幸いにお休みを決め込み、妹と2人、あせらずに力を合わせて店を新しくしようと決めました。「プロの人に頼んだ方が早いよ」と言われましたが、ホームセンターに通いつめ、床を張り、壁紙をはがしてペンキを塗りました。今度は店内でお茶が飲めるようにしたかったので、カウンターなども自分たちで作りました。
うちはまだ被害が軽い方でしたから、「こうでもないと、こんなところ掃除しないよね。感謝、感謝」って言いながら、2ヶ月かけて完成させました。災害って悲惨ですけど、被災したからこそ、人間の力強さとか優しさみたいなものを強く感じることができたのかなとも思います。