三条市の豪雨(平成16・23年7月)
黒板に書いた自分の行き先 ~居場所の把握が安心につながる~
三条市 60代 男性 市役所職員
インタビュー日:2012年10月3日
7月29日の豪雨災害で避難所となった集落の集会所では、皆ができるだけ快適に、安全に過ごせるように、高齢者や女性などは1階で、男性は2階で過ごすようにしました。
また、家族を迎えに出たり、救援活動、見回りなどで避難所から外出したりする場合は、たとえ短い時間であっても、その都度各自が黒板に行き先を書くように徹底しました。行き先がわからないと、「どこかで立ち往生しているのではないか」「けがをしてないか」などと心配した家族が探しに出かけたりして、二次災害につながる恐れがあるからです。
だれがどこにいるかを把握しているだけで、皆が安心できるのはあのときの体験からも明らかです。居場所がわかれば電話や伝言による連絡もスムーズにでき、不要な確認・捜索作業などを行わずに済みます。事実、私たちはこの黒板を確認することで、そうした余分な用事や心配に惑わされることは一切なく過ごすことができました。
住民が個々に避難した場合、お互いの所在がわからなくなって知り合いを探し歩いたりする様子は、多くの被災地で見られると聞きます。私たちの集会所のように黒板がなければ紙に書く、道具を使うなど、居場所をお互いに把握できるような工夫をすることはとても大事だと思います。
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