東海豪雨(平成12年9月)
大事な楽器は実家の2階に避難
~気づいた時にはマンション水没~
(名古屋市 50代 男性 音楽家)
夜の11時頃、雨も小降りになり、道路の水も引き始めたのですが、ちょっと不安を感じて車で庄内川を見に行くと、江戸時代から水を貯めるための大きな場所があるのですが、その敷地内にある自動車学校の自動車が流れて橋の欄干に当たる音が聞こえたぐらい、とんでもない状況になっていました。
で、僕は、実家の1階を事務所にして楽器や機材とかを置いていましたので、1時間ぐらいかけてそれらを2階に運び、疲れ果て、照明器具と一部の機材をそのままに、12時過ぎに少し離れた自宅のマンションに帰りました。
翌朝5時頃、実家の母から、「玄関から水が押し寄せてきた」という電話がありました。「トイレからも水が噴き出している」と言うのです。急いでカーテンを開けて窓の下を見ると、辺りは1メートルぐらいの茶色の濁流で覆われていました。
同じマンションの人たちも各階の廊下に出て、「大変なことになったね」と言いながら、どこからきた水かも分からないまま、ただ静かに見守るほかありませんでした。