令和元年東日本台風
もう1度りんごをつくろう
40代 男性 社会福祉協議会職員
長沼地区は、信州りんごの発祥の地です。そのりんご畑も泥が30㎝くらい堆積しました。ボランティアさんの力で自宅の片付けが進むと、農家さんから「畑の泥をなんとかできないか」という声があがってきました。木の根が腐ってしまうことを恐れていたんです。
緊急的な対応として、りんごの根が呼吸できるよう、木の周りの泥を除ける必要がありました。それをボランティアさんの力でやっていこうと、『農業ボランティア』がスタートしました。
それから1ケ月くらいで、地区のほとんどの畑の泥出しができたのです。これには農家さんもびっくり。あの悲惨な光景を目の当たりにして、りんごづくりを辞めようと思った人が、もう1度りんごをつくろうという気持ちになれたようです。ボランティアさんから「来年、りんごを買いに来ますんで」と言われたら、励みにもなりますよね。
また、長野では『農福連携』が行われています。災害復旧事業を障害者就労支援事業所が受注し、障害のある方が一生懸命、畑を片付けたのです。その仕事ぶりを見て、「ぜひ来年もお願いできないか」と言う農家さんの声も聞かれました。
これらの取組は、今後、他の被災地でも展開の可能性があるのではと感じています。